劇場公開日 2005年7月16日

「走らない堤真一には魅力がない!」姑獲鳥の夏 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0走らない堤真一には魅力がない!

2019年11月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 目まぐるしく回転するカメラとサブリミナル効果のようなフラッシュ映像。そして、なぜか首を傾けたくなる斜めアングル。効果音にはウルトラマンで使われるような懐かしい電子音で脳髄を刺激してくる。昭和20年代の古き町並と室内小道具が目にやさしい反面、カエル顔の連続映像によって目がチカチカしてきました(眠かったせいもある)。京極作品は全く読んだことがないのですが、雰囲気だけはよく伝わりました。

 正直言って、ストーリーそのものや20ヶ月妊娠、産院での子の死亡などの謎解きに全く興味が沸かず、妖怪が登場しないことにも愕然となってしまいました。そうです。「世の中には不思議なことなど何もないのだよ、関口君」の言葉どおり、不思議はないということを忘れていたからです。冒頭の京極堂による長台詞の中で、徳川家康と妖怪の信憑性については「今度使わせてもらおう」と思ったほどインパクトがあったのに、人の記憶が見えてしまう榎木津の非科学的要素により理解不能に陥ったのも原因の一つかもしれません。

 堤真一は難しい内容の長い台詞をよく覚えたもんだ。田中麗奈もよかったし、原田知世だって『時をかける少女』や『天国にいちばん近い島』からみると格段に上手くなっている(いつの時代だ…)。なんといっても京極夏彦のカメオ出演が不気味でよかったですね。クレジットには水木しげると書いてありました。『妖怪大戦争』の前哨戦といった雰囲気ですよね・・・宮迫も出演するし・・・

 ところで、20ヶ月の妊娠ってのはどうなんでしょう?「ブラックジャック」のピノコだって大人になるまでお腹の中にいたんだし、ちょっと物足りないような気がする。変わったところでは、井上ひさし著の短編集「他人の血」の中の一篇「他人の臍」には17年間妊娠している女性が登場する。胎児は子宮の中で大人になり、喋るし、タバコは吸うし、雑誌まで読んでしまうという、とんでもないナンセンス・ブラックなのだが、これが実に面白い。読んだことがある人はいるでしょうか・・・

〈2005年映画館にて〉

kossy
kossyさんのコメント
2019年11月21日

syu32さん、ありがとうございます!
たしか妹にも勧められたのですが、加齢とともに本を読むのが面倒くさくなって諦めた経緯があったのです・・・でもチャレンジしようかな~

地蔵菩薩様
堤真一はまだ若いからアクションもできるでしょうけど、SABU監督の『ドライブ』だったかが最も走っていたと思います。なんだか姑獲鳥ももう一度観たくなってきました。

走るマチャではTVの『集団左遷』が凄かったなぁ・・・かなり年を感じましたがw

kossy
2019年11月20日

kossy氏🙇お久です。

走らない堤真一、最近観たなぁ?って(笑)思ったら、アレでした、藤子不二雄原作「スーパーサラリーマン左江内氏」の再放送😅

確かに「妖怪大戦争」前哨戦っぽいですわ。実相寺~三池。繋ぎが宮迫、京極氏…アレも好きなんですけどねぇ~、水木先生、京極、荒俣、文太さん、清志郎、竹中、板尾、アベサダ…私の好きな人だらけ。でも宮迫が…しゃあないね😥

きまぐれコメントお許し下さいませませ🙏

NIRVANA
しゅうへいさんのコメント
2019年11月20日

 kossyさんへ。

 是非原作もお読み下さい。見方が変わるかも…です(笑)

しゅうへい