劇場公開日 1954年2月6日

「素晴らしき哉、人生!」素晴らしき哉、人生! 長谷川俊太朗さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0素晴らしき哉、人生!

2019年12月7日
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この作品は当たり前のことは当たり前ではないことを教えてくれました。
助け合える友人がいること、そして心が落ち着く居場所があることである。
彼はどんな困難が襲っても前を向く勇気と誰かのために生きるという信念でそれを払い退けてきた。
しかし、さすがの彼でもどうしようもならい状況に押し潰されてしまった。
そこで天使が彼の”存在”というものの大きさを教えたのである。
たしかに彼は彼1人の存在でこの街すべてを変えてしまうような大物である。しかし、それはだれでも同じなのだ。
だれでも1人1人が力を持っているのだ。
それが目に見えるのは難しいかもしれない。
けれど、社会とはミクロの眼でみれば沢山の人が関わっている。周りにあるどんなものでもそうだ。コタツだってその上のみかん、新聞紙、その下のネコだって人というものが少なからず関与しているのだ。
そしてそれは悲しいことに私達はいつも忘れていることが多い。いただきます、ごちそうさま、ごめんなさい、ありがとうなどの当たり前の言葉も忘れてしまっていることが多い。
そして、この映画の表現した友人や家族がいることの素晴らしさもである。いまある幸せを噛みしめようと思うことができた。

長谷川俊太朗