劇場公開日 2005年12月3日

「この歌好きなんだよ♪」Mr.&Mrs.スミス kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5この歌好きなんだよ♪

2021年1月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーのロマンスも話題となって相乗効果のこの映画。夫婦愛も感じるが、父娘の不仲も感じとってしまう・・・

 アンジェリーナ・ジョリーの父親はオスカー俳優のジョン・ヴォイト。『トゥームレイダー』で共演したにも関わらず、父娘の不仲説がささやかれていた。そんなに気にしなくてもいいのでしょうけど、気になることがありました。タンクと呼ばれる男を狙撃しようとするアンジーの前にブラピが現れたとき、「くそっ、Cowboy!」という台詞があるので、ブラピがジョン・スミスという役名を考慮に入れると、ジョン・ヴォイトが熱演した『真夜中のカーボーイ』を連想してしまったのです。その他にも結婚式に来なかった親に関するエピソードもあったし、もしかすると実際の二人が結婚するときにジョン・ヴォイトに参加して欲しいことを訴えていたのではないでしょうか(多分考えすぎです)。

 内容は気軽に楽しめる娯楽作品でしたけど、アクション以外に笑えるシーン満載だったので楽しかったです。ちょっと殺しすぎでしたが、政治的・国際的なものが全くないため、毒もそんなにない。互いに素性がばれたあとで、色んな告白をするところが良かったですね。

 一番気に入ったのは終盤のショッピングモール。ヒッチコックの『スミス夫妻』は未見なので、過去の映画へのオマージュなんか感じられないと思ったのですが、このシーンは完全に『ゾンビ』へのオマージュでしょう。次から次へと殺し屋が登場することもゾンビそっくりでした。そして、そこでエレベーターに乗った瞬間、“イパネマの娘”が聞こえてくる・・・これは完璧な『ブルース・ブラザース』へのオマージュ(笑えたらパロディ)。「よしっ、いくぞ!」とドアを開けるところは『明日に向かって撃て』でした。クライマックスにこれほどオマージュが隠されていたことに、驚きと喜びがいっぱい。もちろん、エレベーターのシーンでくすくすと笑っていたのは一人だけでした。

 音楽にもかなり凝っていて、ブラピが「この歌好きなんだよ」と口ずさむエアサプライのほか、いい選曲がなされています。しかし、サントラのラストに入っている(と書いてある)キャプテン&テニールの“Love Will Keep Us Together”が流れなかったのは残念でした・・・エンドロールが終わるまで観客は一人も帰らなかったのは、この名曲を期待していたためですか?

【2005年11月映画館(試写会)にて】

kossy
たなかなかなかさんのコメント
2021年11月3日

kossyさん、コメントありがとうございます😊

自分も初見の時は『ファイト・クラブ』を観ていなかったので、今回鑑賞して初めて気付きました笑
ジョンのブルース・リーっぽい動きも、実にタイラーっぽかったです😆

たなかなかなか