劇場公開日 2002年5月25日

「ラストが衝撃!」ノー・マンズ・ランド kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ラストが衝撃!

2021年3月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 ラストが衝撃!最後は爆発して終わりだろうと単純に考えていたのですが、これほどまで後を引くエンディングは素晴らしい。これは一生記憶に残るエンディングになるでしょうね。

 戦争映画にしては短い時間なのですが、その中に様々なメッセージが含めてあります。中盤までは兵士が人間らしさを取り戻すのではないかと甘い期待を抱いていたのに、見事に打ちのめされた感があります。

 敵同士の兵士でありながら、“彼女”の話で盛り上がり、友達になれる(?)のかとも想像させる・・・ここからが監督の巧い手法が展開される。観客を裏切り、戦争の虚しさを伝えてくれるのだ。

 また、ボスニア・セルビアの戦争だけではなく、国連軍やマスコミへの風刺もかなり込められている。これには驚いた(笑)白いUNと書かれた装甲車は乗ってみたくなったけど・・・

 言語の選び方も絶妙で、両軍の兵士たちは母国語が同じで意思の疎通をはかれるのに国連軍とは言葉が通じないってのも、戦争の無情さを表現していますね~それから、監督はボスニア側の兵士として2年間戦争に参加していたというのに、あくまでも中立の立場で描いていたことが好感持てました。

kossy