劇場公開日 2004年1月31日

「法廷もの作品の中では被告弁護士が活躍しないというめずらしい映画です」ニューオーリンズ・トライアル kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0法廷もの作品の中では被告弁護士が活躍しないというめずらしい映画です

2021年3月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 陪審員に潜り込んだニック(キューザック)の心理作戦とフィッツ(ハックマン)率いるコンサルタントチームの汚い裏工作へのニックたちの抵抗が見ものです。ニックは謎の人物のままストーリーが進み、彼の正体を推理させるというミステリアスな要素も映画を引き締めていた。一方で原告の弁護士であるローア(ホフマン)のプライドをかけた闘いも絡んで裁判の行方に興味津々。

 『ボウリング・フォー・コロンバイン』でも取り上げられたアメリカ銃社会への批判がこの映画でも痛烈に表現されている。また、陪審員制度のあり方や陪審コンサルタントの存在などを皮肉っているところが小気味いい。日本でも今後予定されている裁判員制度にも影響を与えそうだ。

 基本的に法廷ものは好きなのですが、この映画は法廷そのものよりも裏ばかりを描いています。しかも弁護士は双方とも活躍してないです(これはめずらしいかも)。『シカゴ』でも感じたことですが、こんなことが日本でも起こったら怖いですね。

 見所は、置いてけぼりを食らった被告弁護士のブルース・デイヴィソン。法廷もので被告弁護士が活躍しないというめずらしい映画です。

kossy