モーヴァンのレビュー・感想・評価
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無軌道に突っ走るヒロインが不思議と哲学者に見えてくる
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自分を取り巻く環境、もっと言えば勝手に天井を設定する呪縛みたいなものに抗う女性の物語だと思う。しかしだからといって何か大望があるわけではなく、むしろやりたいことがないからこそ、抗い続けなければ生きている実感が得られない。そのきっかけが自己満足的な恋人の自殺で、主人公のモーヴァンはそれを利用して大金をせしめ、日常からの脱出を試みる。その先にあるものはただレイヴで遊びまくることだったり、アテもなくちょっと旅にしてみることだったりするのだが、当人の精神性次第でどんなしょうもないことも「魂の彷徨」に化ける。ミニマムで小さい話だが「魂のロードムービー」と呼ぶのがふさわしい、得体のしれない傑作。いささか凡庸に思えた原作のラストを変えたことも、劇中でモーヴァンが死んだ恋人の原稿の著者名を自分に書き換えた行為と繋がっていて爽快。
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