劇場公開日 2004年3月13日

「21世紀の市川崑監督と思います」花とアリス あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.021世紀の市川崑監督と思います

2020年2月10日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

傑作です、監督の素晴らしい才能を感じました

バレエを子供の頃から習っていた女性は一目で分かります
骨格、姿勢、首、全体の雰囲気
聞いてみて間違ったことはないです

蒼井優は正に一目でその女性と分かります
幼い頃から鍛錬を続けていた肢体は骨格から違っているのです

木村多江もしかりです

逆に鈴木杏は背中のラインを見るだけで、そうでは無いことも一目でわかります

同じように岩井俊二監督は市川崑チルドレンなのだと強く感じます
映像を観れば一目瞭然です

冒頭の桜のシーンは21世紀の細雪というべき映像が撮れています
雨のシーン、海のシーン
どれも市川崑の作品のような光線と空気があります

花の恋の物語、アリスの父娘の物語が交錯して、さらに三角関係となり、3つの軸が物語の空間を立体的に大きな世界に膨らんでいく脚本は見事です

その膨らんだ空間は、クライマックスでアリスのバレエの美しさで満たされるのです
その空間にあった様々な忘れ去りたいことは、それによって追い出されてしまうのです

そしてラストシーンの幸せな二人の笑顔だけが残されるのです

タイトル、エンドロールの映画表記は市川崑の直角スタイルとはまるで異なるものですが、スタイリッシュさでは同じだと思います

音楽もまた素晴らしく、本編と共に快い余韻をいつまでも残してくれました

名作だと思います

あき240