「 大江健三郎でも大島渚の世界でも無く、脚本の田村孟が描くザ日本の村社会」飼育(1961) Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 大江健三郎でも大島渚の世界でも無く、脚本の田村孟が描くザ日本の村社会

2021年6月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

日本のムラ社会の嫌らしさ、汚なさ、理不全性を容赦無く描き出した社会的なメッセージ性有する問題作と思えた。後年の田村孟脚本の作品群と重なる部分が大とも感じた。

舞台は戦争末期。生捕した黒人パイロットを村民達、実際には子供達が世話している。ムラにはいざこざが絶えないが、それもこれも全てクロンボのせいにして、殺すことに決めてしまう。子供達は救おうとするが、本家の長である三国連太郎に結局殺されてしまう。

敗戦後、脱走兵も帰って来たが、争いの中で死んでしまう。黒人兵殺しは、脱走兵がやったことにすると、皆で示し合わせる。全てのやばいことは無かったことにしようとする村落社会の住民達の有り様が、今も根強く存在する、ザ、日本社会。この映画での唯一の救いは、子供達がそんな大人を怒りの目で見てたことなのだが。

Kazu Ann