劇場公開日 2005年10月22日

「どっちつかずが惜しい!」ドミノ(2005) arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0どっちつかずが惜しい!

2013年11月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

難しい

キーラ・ナイトレイ演じるドミノ・ハーヴェイは実在の人物で、ハリウッド俳優とスーパーモデルの間に生まれた彼女が賞金稼ぎになった経緯は実話で、この映画の中で彼女が巻き込まれる事件のびょう顛末はフィクション(だと思う)。
この映画の一番の問題は、ドミノ・ハーヴェイという女性賞金稼ぎの物語なのか、彼女はあくまでも登場人物の一人であってこれは病気の少女を救う為の30万ドルを巡る物語なのか、どっちつかずなこと。
ドミノ・ハーヴェイの物語ならば、もっとシンプルな話にするべきだし、これだけ相当クセのある登場人物を配するなら、カール・ハイアセンの小説やガイ・リッチーの『スナッチ』のようにもっとコメディ色を強くするべきだったと思う。時系列をバラバラにして編集するなど、後者の線を狙ったとも思えるのだが、これがあまり効果的ではなく、話が分かりにくくなっているのも難点。
トニー・スコットは映画に取り掛かる随分前からドミノ・ハーヴェイ自身を取材していたらしいので、彼女のキャラクターをあくまで登場人物の一人する訳にはいかなかったのかもしれないが、もしそうならその遠慮が作品に混乱を招いたと言えるかもしれない。
面白いキャラクターが多いので、個人的には、お金を巡る話にした方がいい作品になったんじゃないかなと思う。

arakazu