劇場公開日 2006年10月14日

「あんたのはボクシングじゃないわよ!鼻折ってあげましょか?!」ブラック・ダリア kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0あんたのはボクシングじゃないわよ!鼻折ってあげましょか?!

2018年10月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 などと自分のボクサーとしての苦労話をぶつけるわけでもなく、愛欲に溺れてしまったかのようなヒラリー・スワンクでしたが、この妖しい彼女も魅力的でした。もちろんスカーレット・ヨハンソンの唇は健在。時代が戦争直後の雰囲気をだすために口紅の色がどぎつかったために、『マッチポイント』ほど彼女の魅力を引き出してはいませんでした。そのスカJの背中にBDというイニシャルが痛々しく刻まれていたのですが、これは出所間近のレイプ魔のイニシャルではなくブライアン・デ・パルマのモノだったのか、それともタイトルのブラック・ダリアを意味しているのかよくわかりませんでした。まさか少年探偵団のイニシャルではないだろうし・・・

 なぜかハードボイルド風にジョシュ・ハートネットの語りによって進む映画でしたが、彼にはあまり似合ってなかったのではないでしょうか。デ・パルマ・カットと呼ばれる細かく刻んだカット割りの部分は所々で見せてくれるのですが、スローモーションや長回しがありません。最初の死体発見のシークエンスだけはスリリングでしたけど、こうしたグロくてショッキングな映像を瞬時に見せるところなんてなかなか良かっただけに、この古臭いハードボイルドの雰囲気にノレませんでした。

 それにしても、犯罪者側の登場人物が多すぎるし、彼らの接点も多すぎる。終盤になって意外な接点やどんでん返しが次から次へと出てくるためにスリルを感じる前に混乱してしまうのです。真相を知らないのはハートネットと観客だけなんだから、もう少し上手く見せてほしいところ。一人称で進むのはしょうがないとしても、ハートネットの捜査に軽率な単独行動が多すぎます。簡単に後ろからやられちゃうんだから、小屋を発見したときなんてヒヤヒヤものでした。せっかく『ハリウッド的殺人事件』でハリソン・フォードから教わったのに・・・

kossy