劇場公開日 2007年1月17日

「タイムトラベルの必要性はともかく、中世の描写がいい」タイムライン(2003) Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5タイムトラベルの必要性はともかく、中世の描写がいい

2013年3月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

総合:70点
ストーリー: 60
キャスト: 75
演出: 85
ビジュアル: 75
音楽: 65

 原作がマイケル・クライトンということで期待したのだが、正直あまり物語は素晴らしいとは思わなかった。そもそもタイムトラベルして過去に行くという必然性がこの映画にはあったのかと疑う。現代人が登場しなくても、中世の地域戦争だけで十分完結している話であった。わざわざ現在と過去の2つの世界両方を登場させる意味がわからない。
 原作を読んでいないのでよくわからないが、映画とは設定や物語が違うのかもしれない。少なくともこの映画を見て、あまりマイケル・クライトンらしい物語だとは思わなかった。

 しかしそれ以外はなかなか楽しめた。荒くれ者で理屈の通じない当時の兵士が出てきて簡単に暴力に訴えたり殺したりするところなどは、いかにもその時代らしい背景描写。また何かあるとCGで映像を作る時代にあって、この映画では恐らくCGは全く使われていないか殆ど使われていないと思う。例えばCGの映画でよく見られるような、空を覆うほどのあまりたくさんの数の矢がこの映画では飛んでいかない戦闘場面は、人によっては迫力がないと思うかもしれない。しかし逆に私には、不器用な曲線を描きながら飛んで行き兵士に突き刺さる弓矢が生々しく、そのような描写だからこそ真に迫っていて痛々しいほど迫力があると感じた。

コメントする
Cape God