劇場公開日 2005年10月8日

「一方的な正義の古い価値観」ステルス Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5一方的な正義の古い価値観

2013年3月8日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

興奮

総合:45点
ストーリー: 35
キャスト: 65
演出: 40
ビジュアル: 80
音楽: 60

 まるで四半世紀前の脚本を現在の映像技術で製作したような映画。

 アメリカは正義でそれに逆らうものには法を無視して力づくで意見を通す。そのアメリカに気に入らない命令を下すものがいれば、自分の主義主張のためにはそれも無視して好き勝手に行動する。そのためにどこかの国で破壊活動をしようが人の命が失われれようが、アメリカ流の安っぽい正義やヒューマニズム・ヒロイズムのためには正当化されてしまう。
 今時の映画というよりも、70-80年代の古い価値観に基づく脚本という印象を受ける。昔アイアンイーグルという、勝手にジェット戦闘機を盗んで敵国に戦闘行為をして捕虜になっている家族を救う映画があったが、これを思い出させる。勝手に他国を攻撃して自分の主張を通すといこれだけの一方的な脚本は、現在ではアメリカですら大きく支持されるとは限らないのではないだろうか。

 映像技術はかなり高い。しかしそれも今の映画というよりも、何か昔のSF映画を見ているように感じる。登場するメカとかがなんとなく昔の人が考えた未来のものを見ているように思える。

 恐らくこの映画を作った人は、脚本にしろ映像にしろ昔の価値観をもっていて、それを今の技術で再生したかったのかもしれない。だがこれだけ「古いSF映画」だと、見ていて割り切れない部分も多い。物語は完全に無視を決め込んで映像を楽しむだけにしたほうが無難。

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Cape God