劇場公開日 1967年9月14日

恋人よ帰れ!わが胸にのレビュー・感想・評価

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2.0気の毒な黒人選手に思えた

2021年7月3日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ビリー・ワイルダー監督なので、ほのぼのコメディ調なのは理解してるつもりなんですが、看護師等への細かいギャグが多く「もういいよ」と思ってしまったのが本音。特にW.マッソーのギャグは多めだったかな。個性ある役者さんが多数出てるので、それだけでも十分楽しめるのに台無しに思えちゃった。
16に場面を区切り、わかりやすく観れる演出はいいですね。コアな映画ファンではなく、今の状況(コロナ)で自粛生活が続き、何か家での楽しみとして色々拝見している者のレビューなので詳しいことはわかりません。他の映画もこうしてくれると休み休み観れるんだけどな、と思ったりした。

いつバレるのか、あるいは罰が当たって本当に歩けなくなるのか色々予想しながら観てました。といってもコメディなのでハッピーエンドの展開になるのは間違いないから気楽に観れるんですけどね。奥さん改心してくれると良かったけど、やっぱり一度目がくらんだ人は無理なんですね。。。

個人的には、あんまり爽快な気になれるハッピーエンドに思えなかった。やっぱり黒人選手は気の毒だと思うし、W.マッソーは最後まで意地汚い弁護士ぶりで笑えるものも笑えなかったです。

 誰を中心にして観たかで笑える場面が変わる映画に思えます。

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はむちん

4.0本当のテーマは黒人公民権運動への応援歌

2018年12月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

邦題名は内容にそぐわないかもしれない
かと言って原題のフォーチュンクッキーではもっとわからない
保険金詐欺のお話のようで、本当のテーマは黒人公民権運動への応援歌をコメディで観せることであった

ビリー・ワイルダー監督お得意のコメディタッチ
ジャック・レモン、ウォルター・マッソーが正に演技というか演芸の域で笑わしてくれる

終盤まではウォルター・マッソーの方が素晴らしく、ジャック・レモンは車椅子に縛られている役のようにいまいちな感じ
しかし、終盤で一気に爆発する
ラストシーンの深夜のスタジアムでの二人だけの試合は最高の終わり方であった
詐欺の片棒を担いで共犯になったような観客のモヤモヤ感を、彼の笑顔が吹き飛ばしカタルシスを持って映画を締めくくっている
ビリー・ワイルダー監督の見事な腕だ

1966年は黒人の公民権運動が全米を揺るがしていた時代であり、その最中に本作は製作されたのだ

ジャック・レモンが私立探偵の黒人差別発言のわざとらしい挑発に我慢できず殴り倒してしまうシーン
そして詐欺事件の犠牲となったフットボールの黒人スター選手との和解シーン
これこそが本作のテーマだったのだ

当然白人だけでなく黒人達も映画館に詰めかけて喝采を送ったことだろう

単なる時節問題としてでなく、人権、モラル、良心の問題として、それをコメディの衣で見事に娯楽作品としてまとめ上げている
正にプロの仕事だ

別れた尻軽の美人妻の話なぞ、それこそ刺身のつまでしかない
第一、元妻であって恋人ではない
その上、主人公は終盤で落ちたコンタクトレンズを探して床に這いつくばる元妻の尻を軽く蹴飛ばして去ってしまうのだ

ひょっとしたら邦題の「恋人よ帰れ!我が胸に」というその恋人の意味は、実は「良心」というという意味として日本の配給会社の宣伝マンがそこまで考えて付けたものなのかもしれない
だとしたら昔の人は本当に凄い人がいたと感嘆するほかない

ジェミニ計画とは、月着陸アポロ計画の前段階の計画、有人宇宙飛行ジェミニ計画からとられたもの
だから、悪徳弁護士がジェミニ計画司令部に連絡しろと私立探偵二人に呼び掛けるのはそういうこと
もちろんジェミニとは双子の意味で、探偵二人が交代の不眠不休で監視するということにかけてある

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あき240