劇場公開日 2001年2月3日

「自力作善は当然破綻する」ペイ・フォワード 可能の王国 ぢょにぃ7566さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0自力作善は当然破綻する

2021年6月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

例えば「歎異抄」の親鸞の言葉にはこうある。

「慈悲に聖道浄土のかわりめあり。聖道の慈悲というはものをあわれみかなしみはぐくむなり。しかれども思うがごとく助けとぐること極めてありがたし」

人間が、自分の力で何かを助けようとしてもそれが理想的な形でかなうことはまずないし、ましてや助け続けることなどほとんど不可能だ、という意味である。

現代のアメリカ人の知恵は、800年前の日本人の智慧に遠く及ばない。
伝統を知り、ある程度の教養がある真っ当な日本人がこれを観れば、この映画は「世に無数にある、幼稚な自己中の偽善が、単に失敗しただけのさま」以上の評価はできないのではないか。

終幕もお粗末。
死をもって美化するのがアメリカ映画の王道とはいえ、あんなので感動するとか…ないな。

時間の無駄でした。

ぢょにぃ7566