ジェイ&サイレント・ボブ 帝国への逆襲 : インタビュー

2003年3月1日更新

ケビン・スミス監督 インタビュー

杉谷伸子

――「ブラントマン&クロニック」の撮影シーンには、「スター・ウォーズ」ばりのライトセーバーが登場します。「色を使わなければOK」とルーカス・サイドに言われたそうですが、コピーライトにうるさい作品をパロるのに面倒はなかったんですか?

「いや、全然。スカイウォーカー・スタジオで『ドグマ』を撮影したときに、リック・マッカラムと親しくなったんだ。彼の娘が『チェイシング・エイミー』のファンなんだって。サウンドライブラリーで、本物のライトセーバーの音も開放してくれたんだよ」

――「スター・ウォーズ」に影響を受けた世代としては、新シリーズはいかが?

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「『クローンの攻撃』はあんまり評判よくなかったけど、俺はすごく気に入ってる。5作を好きな順に挙げれば、『帝国の逆襲』『クローンの攻撃』『ジェダイの復讐』『ファントム・メナス』『スター・ウォーズ』。子どもの頃は『スター・ウォーズ』が大好きだったけどね。『帝国の逆襲』は、ストーリー構成もキャラクター描写もいいし、役者の演技も3作のなかで最高。善と悪の対立が曖昧で、しかもハッピーエンドじゃないのがすごくいいよ。『ジェイ&サイレント・ボブ/帝国への逆襲』っていうタイトルも、『帝国の逆襲』が好きだから。もちろん、作品そのものも『帝国の逆襲』への俺のオマージュだよ」

――「ジェイ&サイレント・ボブ/帝国への逆襲」には、「ネットは中傷のメディア」だという台詞があります。でも、あなたのウェブサイトはすごく充実してるので、結果的に中傷に対抗する手段にもなりますよね。

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「最初にインターネットの洗礼を受けたのは、95年頃かな。今、ビュー・アスキューのウェブマスターをやってくれてるミング・チェンが『クラークス』のファンサイトを作ってるのを見つけたときは、すごく嬉しかったんだ。実際にお金を払って観てくれた人たちの意見を聞けるなんて、当時はなかったから。僕の映画を好きな人たちが集まってるから、内容も98%がポジティブだったし。でも、一歩、外に出て、『Ain't It Cool News』あたりに足を踏み入れると、ポジティブとネガティブが50対50になる。俺の映画もボロクソ。全部観てるなんて、結局ファンだろ? なのに、全部批判するんだぜ。エネルギーをネガティブなことに無駄遣いするのが理解できないね。確かに、その思いはオフィシャルサイトにも反映してるよ」

――そのサイトの投票コーナーでは、「ジャージー・ガール」でのジェニファー・ロペス起用には反対意見が過半数でしたね。

「女優1人のキャスティングで、良くも悪くもこれだけいろいろ言われたのは初めて。ポジティブな意見もあったけど、“演技も出来ないし、歌さえ歌えてないし”って嫌い方もすごかったよ。でも、『ジェイ&サイレント・ボブ/帝国への逆襲』にジェイソン・ビッグスやジェームズ・ヴァン・ダー・ビークをキャスティングしたときも、“ハリウッドの青春映画軍団を使うなんて、何考えてるんだ”って非難轟々。でも、映画を観たら、“ジェイソン最高だった”“ごめんね”ってメールがたくさん届いたよ。『ジャージー・ガール』も、まずは観てもらわないとね」

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