「灰色の月と海、濡れた砂、色彩豊かな村」白パンと独裁者 Syochan17さんの映画レビュー(感想・評価)
灰色の月と海、濡れた砂、色彩豊かな村
自伝原作らしく、スクリーンに映し出される思い出の地は実に美しい。灰色の月と海、濡れた砂、色彩豊かな村の描写は、まるで西洋絵画の連続のようだ。
政治色やヒトラーへの評価を排し、体験した事実を原風景として記憶のままに描いていく。観終わった後に背景を調べることで、この時代をより深く考察できる仕組みになっている。標準ドイツ語と北の辺境の島固有の言語の違い、捕鯨に根ざした独自の歴史文化、そして中央のナチズムとはどこか距離のある島民たちの空気感など、知れば知るほど作品の解像度が上がっていく。『ニュー・シネマ・パラダイス』を思わせる郷愁溢れた作品。
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