劇場公開日 2026年8月28日 PROMOTION

平行と垂直 : 特集

2026年8月17日更新

この映画が大好きで大好きで、心から愛おしくてたまら
ない。特別なこと、派手な事件は起こらない。だから、
魂に浸透し消えない“あたたかな感情”を与えてくれる
良質な邦画を探すあなたへ、強く勧めたい“絶品映画”

画像1


「一体どうして、こんなに良い映画ができたのだろう」



そんな風にため息をついてしまうほど、愛おしくてたまらない映画に出合ってしまった。

8月28日公開の「平行と垂直」は、世界を救うミッションも、あっと驚く大事件も起こらない。

描かれるのは、とある街で暮らす兄と妹の日常と、そんな生活が“妹の結婚”を機に少しだけ変化していく、ただ、それだけの日々だ。

画像2

けれど、そのなんでもない時間の積み重ねに、私たちの人生へそっと寄り添い、あたたかな光を灯してくれる「本物の物語」が息づいている。

「最近、心から満足できる映画に出合えていない」――もしそう感じているなら、どうか「平行と垂直」を手にとってみてほしい。

私が観て得た深く静かな感動を、少しだけおすそわけさせてもらいたい。


【予告編】ずっと、ふたりで生きてきた

【最初に結論】
まさに、こういう“素晴らしい映画”を観たかった――人それぞれ違う“生きる速度”を肯定し、魂のすみずみまであたたかさが浸透する至福の物語
画像3

本作でどんな気持ちになれるのか。



ただひたすら、あたたかな気持ちで心が満たされていく。



安直に「泣ける」とはまた違う。「まさにこういう映画を待っていた」と、深い充足感に包まれる思いだった。

画像4

自閉スペクトラム症(ASD)の兄・大貴(安田章大)と、幼い頃から彼を支えてきた妹・希(のん)。早くに母を亡くし、ネグレクト気味の父とは距離を置いて、ふたりで懸命に生きてきた。

清掃の仕事に就き一人暮らしを始めた大貴には、週に一度、水曜19時に妹と食事をとる絶対のルーティンがある。

カウンセラーの希もまた、兄を支えることを当たり前として生きてきた。だが秩序だった日常は、希が恋人からプロポーズを受けたことを境に、静かに揺れ動き始める――。

画像5

変わらないと思っていた関係が少しずつ動き出すさまを、てらいもなく優しく見つめたヒューマンドラマは、人それぞれ違う「生きる速度」を、力強く優しく肯定してくれる。

平行と、垂直。食卓に流れる心地のよい沈黙。朝の光が差す洗面所。――うまく言葉にできないが(観ればありありと感じられるだろう)――本作のように、作り手の熱意と魂がこれほど画面のすみずみにのっている映画は本当に珍しい。

ただただ、拍手を送りたい気持ちだった。


【たまらなく愛する理由①】
これほどのめり込んだのは、"本物の感情"が描かれているから。“説明”ではなく、シーンと間と空気感で描き切る。その余韻は消えず、心に根付く。2時間で得られる効能は一生、続くだろう
画像6

昨今のコンテンツの主流は、受け手を強く揺さぶる「刺激」だ。一方で、本作はその真逆にも思える。

わかりやすいカタルシスも劇的な事件もない。しかし、いや、だからこそ、



私はこの映画を心の底から愛している。



過剰な言葉や展開に頼らず、シーンの余白や沈黙の間だけで、人物の心の奥にある感情をこの上なく豊かに描き切る。“平行と垂直”を意識した画角も編集のテンポも、その伝達効果を最大化するよう、すみずみまで緻密に練り上げられている。

画像7

“強い刺激”ももちろん素晴らしい。でもそれは、すぐに消え去ってしまう。逆に、静かに深く伝わる「本物の感情」は、魂にゆっくり浸透し、決して消えず根付く。

「平行と垂直」は、刺激過多・猛烈速度の現代で、純粋な感情体験ができる稀有な作品だと思う。



至福のひとときは2時間ほどだが、この効能はきっと一生、私の人生に寄り添い続けてくれるだろう。




【②】誠実なセリフひとつひとつが、好きだ
「私の人生を邪魔せんといて」――思ってはいけない、でも思ってしまう本音もさらけ出す。ぶつかり合う。嘘やキレイゴトがない。だから信じられる
画像8

好きで好きでしょうがないポイントが溢れ出してくる。次はセリフだ。



この映画で放たれる言葉には、一切の嘘やキレイゴトがない。



たとえば妹の希が限界を迎え、兄に対し「お願いやから私の人生邪魔せんといて!」と辛辣な言葉をぶつけてしまうシーンがある。

画像9

「そんなこと思ってはいけない」と頭ではわかっていても、ネガティブな感情はどうしても湧き上がる。本作はそれを「なかったこと」にして綺麗事になんかしない。

家族だからこそ支えたい。でも、だからこそ鬱陶しい。剥き出しの感情をさらけ出し、不器用にぶつかり合い、それでもともに生きようとする姿を真摯に見つめる、物語の眼差しがたまらなく好きだ。確かな光と優しさを、まっすぐに信じられるから。


【③】安田章大の演技が、すさまじい
魂の輪郭までも形作る、緻密な身体と視線の動き。“生きるリズム”と“不器用な愛”を、細胞レベルまで落とし込む役作りが圧巻
画像10

物語や演出、技術について語ってきたが、もちろん俳優の演技もとんでもなく素晴らしかったわけで。



まず、兄・大貴に扮した安田章大さんの演技が本当にすごい……



「記号」として演じるのではなく、大貴という人間の「生きるリズム」を文字通り細胞レベルまで落とし込んでいるとすら感じた。


独特の「コトコトとした歩き方」や、角を曲がる時に必ず一度立ち止まり「直角に曲がる」ルーティン。それは世界から自分を守り、懸命に生きるための「大切な秩序」であることが、安田さんの迷いのない重心の移動からひしひしと伝わってくる。



そして何より圧巻なのは、「視線」と「手」の雄弁さだった。



画像11

普段は表情がほとんど変わらない大貴が、不意に希へ向ける視線の微かな揺らぎや瞬きの速度に、言葉にならない膨大な感情が渦巻いている。

希の頬にそっと手を差し伸べる仕草ひとつにも、「不器用だけれど確かに愛し、慈しんでいる」という心の奥の温度が宿り、観る者の胸を静かに、しかし強く締めつける。


【④】のんもやはり、とんでもない
「うまい」より「あまりにも“良すぎる”」。物語に血を通わせる天性の実在感と温もりが、ダイレクトに感情を撃ち抜く
画像12

そして妹・希を演じたのんさんの演技は、「上手い」という言葉では括りきれない、不思議な魅力に満ちている。

技術的な感嘆より先に、



「なんて愛おしい人なんだろう」「なんて良い表情をするんだろう」



という感情が観客の心から飛び出ていく。

画像13

寝ぐせをピッコーンと泳がせたまま身支度をして家を飛び出す姿。

突然のプロポーズに「寝ぐせピッコーンなってるのに? ロマンチックが圧倒的に足りひんやん。あほちゃうか!」とずけずけ突っ込む屈託のなさ。

体温があり、みずみずしい生と実在感がある。だからこそ、限界を迎えて本音をぶちまける叫びも、芝居という以前に、痛切な魂の叫びとして胸に飛び込んでくる。

のんさんの「上手いより『良い』が勝つ」天性の表現力と、ぜひ大きなスクリーンで出合ってほしい。


【⑤】どうしてこんなにいい映画ができたんだろう
それは、情熱によって完成しているから。何度でも言いたい、“本気でよかった”。この映画はきっと、観客の1人も残さず寄り添ってくれる
画像14

「どうして、こんなに良い映画ができたのか」という問いの答えは“成り立ち”にもある。

すべては、主演の安田章大さんが、脚本・山野海さんによるオリジナル脚本に強く心を動かされ、自らプロデューサー・佐藤現さんに映画化を持ち込んだことに始まる。

画像15

監督ら作り手との初顔合わせでは、いつの間にか互いの生い立ちや心の内を吐き出し合い、その濃密な時間が作品の核になったそう。専門家の監修も仰ぎ、約2年もの歳月をかけて脚本を練り上げた。

純粋な情熱と途方もない熱意が、本作を支えている。

そして、舞台となる大阪・堺のどこか温かくて心地よい空気感。大貴を見守る職場の先輩やグループホームの社長ら「おっちゃんたち」の可愛らしさ。ぜんぶが愛おしい。

画像16

富貴晴美が手掛ける音楽と、安田さんも参加した主題歌「話そう」の深い余韻も好きだ。劇中の美味しそうなごはんの数々も。あれもこれも、すべてが愛おしくてたまらない。


画像17

最近の映画を観ていると、過剰に展開やテーマを詰め込んで無理をしているように感じることもある。

けれど、この「平行と垂直」は無理をしていない。本当に伝えたいことだけが、真っ直ぐに描かれている。

だからきっと、劇場へ足を運んだ観客の1人も取り残さず、その人生にそっと優しく寄り添ってくれるだろう。私がそうだったように、多くの人の宝物になることを願って。

画像18

インタビュー

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む
「平行と垂直」の作品トップへ