開戦前夜 : 特集
【あなたの3分を、この記事にください】池松壮亮も
江口洋介も「今、観てほしい」と切に願う映画がある。
「未来を変えられる物語」「正しさとは何か」「本当に観
てよかった」──今、全てをかけ目撃してほしい渾身作

7月31日に公開される映画「開戦前夜」。
出演した池松壮亮、江口洋介といった俳優たちはもちろん、試写で目撃した観客も、私たち映画.com編集部も、

太平洋戦争の開戦前夜。一発の銃弾も飛ばない会議室で、「起きてはいけない未来」に抗おうとした者たちがいた。
観るほどに、
※本記事は、映画「開戦前夜」の劇中で描かれる物語のみを根拠に構成しており、作品の背景や一連の経緯については根拠・判断の対象としていません。製作陣の思いについては〈声明文〉もあわせてご確認ください。
【予告編】まずは物語をチェックしてほしい。
【あふれ出た、観客の感想】語ることは山ほどある。
でも何よりもまず、“観た人”の生の声を聞いてほしい。

――以下、試写鑑賞者のXの投稿より。
引き込まれっぱなし。とんでもない熱量、演技合戦。足音、影、時計の針が印象的。
本当に観て良かった。佐藤浩市演じる東條英機の凄みが、この映画の価値を一段階上げてる。

正しさとは何なのかということを考えてしまった。とにかく戦争のない世界を望みます。
戦争を回避できていたら、どんな未来になっていただろう。

この映画を見て太平洋戦争に深い興味が湧き、これからもっと調べてみたいと深く思いました。
「変わらない過去の物語」だけど…「未来が変えられる物語」だと思った。
今こそ、すべての世代に観てほしい傑作映画。

――なぜ、映画.comは本作を今、観てほしいのか。
「開戦前夜」が描く「合理的な知や言葉」が「空気」にかき消されてしまう恐ろしさは、現代の私たちにとっても決して他人事ではない。そして、本作は
戦争へ突き進む時代のなかで、知性とデータを手に立ち向かう者たちがいた。彼らの軌跡にこそ、私たちがこれから直面するかもしれない
【池松壮亮も仲野太賀も江口洋介も、願いを込める】
「いま生まれるべき作品」「映画館で観てもらいたい」

観客のみならず、キャスト・監督も、抱く思いは同じだ。インタビューや座談会から、重要なコメントを抜粋してご紹介する。

■主演・池松壮亮(宇治田洋一役)
「なぜ戦争が起きたのか? どういう意思決定があったのか? そして今が“戦前ではない”と100%言い切れるのか?」 そうした問いに、真っすぐアンサーを出している映画であり、「いま生まれるべき」「いまこれからの時代に必要」な新しい反戦映画になっています。

■仲野太賀(樺島茂雄役)
今現在の地続きにある物語。他人事でない“何か”を感じ、この作品が描いている“恐ろしさ”が刺さってくる。

■江口洋介(西村良穂役)
こういった作品に触れてもらえると、「もっと自分がやれることをやろう」そんなエネルギーに変えていけると思う。だから、ぜひ映画館で観てもらいたい。

■佐藤隆太(瀬古明役)
当時の社会に漂っていた空気は、今を生きる私たちの中にもまだ息づいている。そう感じてしまうからこそ、この物語は他人事に思えず、怖さと共感が同時にこみ上げてきます。
【レビュー】この映画に鑑賞料金2000円は安すぎる。
“自分だったら”を味わい続ける究極の体感映画だった

最後に、映画.com編集部の率直な感想をお伝えし、特集を締めくくろう。
●【こんな映画、なかなかお目にかかれない】
一発の弾丸も飛ばない会議室。しかしそこは命をかけた戦場だった――言葉を失う圧巻の熱量、今年ベスト級邦画。

戦争映画といえば砲撃があり、硝煙がたなびき、血が地面を濡らすもの。しかしその常識を、「開戦前夜」は静かに、そして完全に覆してしまう。
ほとんどの舞台となるのは“会議室”。飛び交うのは弾丸ではなく、この国の行く末を左右する議論を交わす者たちの気迫。数字と資料と、議論と沈黙。彼らの一言が、紙の一枚が、幾万もの命の重さと直結している。紛れもなく「命をかけた戦い」だった。
ゆえにスクリーンから突き刺さる緊迫感は、どんな戦場の描写にも引けを取らない。いや、えてして

そう断言することに、いささかの“ためらい”もない。
●【実は極限の“体感映画”】
「自分だったらどうする?」を最高純度で味わい続ける138分間――この体験に鑑賞料金2000円は安すぎる。

本作最大の特徴は、観客を「無関係」でいさせてくれないところにある。
カメラが会議のテーブルへと肉薄する。まるで格闘技の試合に密着するかのように。正論と忖度のあいだ、理性と情熱のあいだで、池松壮亮や岩田剛典ら登場人物たちの表情が刻一刻と揺れ動く。

息の詰まるようなやり取りを至近距離で見つめる。そのうち、

歴史を外から眺める映画ではない。
観終えたあと、簡単には席を立てないかもしれない。筆者はそうだった。自宅の画面で味わうのはもったいない。映画館の親密な暗闇に包まれながら向き合ってこそ、人生に残る体験となる。
●【天才・石井裕也が放った、紛れもない“最高傑作”】
凶暴なまでに冷静な演出、剥き出しの熱演、後世に語り継がれるに違いない結末――エンドロールの“音”に、あなたは何を感じるか。

演じる、という言葉で足りるだろうか。本作の俳優陣は、それぞれの立場で抱える焦燥や無力感を、生身の肉体ごと剥き出しにしている。セリフの抑揚の一つひとつ、視線のミリ単位の揺らぎにすら、普通ではない
演出も見事というほかない。時代が破滅へと転がり落ちていく過程を、石井裕也監督は驚くほど冷静な筆致で描いていく。過剰な演出で泣かせにかかることをしない。淡々と描写を積み重ねていく。
時に禁欲的なまでの冷静さが、逆に

ゆえに、天才と称される石井裕也監督の最高到達点のひとつであり、現時点における最高傑作のひとつだと、筆者は声を限りに伝えたい。
結末を見届け、エンドロールが流れ始めたとき、ぜひ“音”に耳をすませてみてほしい。

劇場を出る一歩目は、果たしてどこへ向かうのか。







