ジョン・キャンディ 自分が好きだ

配信開始日:2025年10月10日

解説・あらすじ

43歳で急逝したコメディ俳優ジョン・キャンディの人生を描いたドキュメンタリー。

「大災難P.T.A.」「ホーム・アローン」「クール・ランニング」など数々の名作映画で印象を残しながらも、1994年に43歳の若さでこの世を去った俳優ジョン・キャンディ。ビル・マーレイ、ダン・エイクロイド、マーティン・ショート、ユージーン・レビ、キャサリン・オハラ、トム・ハンクス、スティーブ・マーティン、メル・ブルックス、クリス・コロンバス、マコーレー・カルキンらそうそうたる顔ぶれの俳優やスタッフたちのインタビューをはじめ、未公開のホームビデオや家族への綿密な取材、さらにキャンディが出演した数々の映画やテレビ番組のフッテージ映像をふんだんに盛り込みながら、彼の仕事ぶりやプライベートでの様子、人柄に迫り、個人的な葛藤やハリウッドでのプレッシャーと闘いながらも観客や愛する人たちに喜びを与えるべく邁進した姿を描き出す。

トム・ハンクスの息子コリン・ハンクスが監督を務め、俳優ライアン・レイノルズが製作を担当。Amazon Prime Videoで2025年10月10日から配信。

2025年製作/112分/アメリカ
原題または英題:John Candy: I Like Me
配信:Amazon Prime Video
配信開始日:2025年10月10日

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映画レビュー

5.0 心やさしい隣人

2026年2月28日
PCから投稿

ドキュメンタリーのタイトルになっているPTAのロールがでてくる。映画中いちばんぐっとくる場面でもあった。感謝祭のスティーブマーティンの帰郷がやっかいな道連れジョンキャンディによってめちゃくちゃな災難に変貌する。足止めされモテルの一室に二人で泊まらざるを得なくなり、堪忍袋の尾が切れたマーティンがキャンディを罵るシーンだった。激しい言葉で罵っているとき、カメラがそれを浴びているジョンキャンディの表情をとらえる。ほんとに傷ついている表情だった。掛け値なしに迫真の演技というやつだった。マーティンがそのシーンを述懐して「あまりにも傷ついた顔をするから気の毒になって「演技だぞ」と伝えたよ」と言うんだ。

痛罵に言い返すかたちでI like meが出てくる。続けてMy wife likes meとも言うが、彼の奥さんは何年も前に亡くなっている。映画を見たわれわれは、PTAの結末も、彼が家もなく奥さんもいないのに明るく振る舞っていることも知っている。そしてジョンキャンディがこの世にいないことも知っている。それらを知っているとき、このロールのジョンキャディの表情はさらにぐっと刺さる。
ジョンヒューズ映画は軽いグラフィティものの様相をしていながらちょいちょい人生の本質が顕現する。そういうシーンだった。

もうひとつこのドキュメンタリーで印象深かったのはマコーレーカルキンの述懐だった。子役にありがちな宿命に漏れず、複雑な家庭環境をもち歪んで育ったカルキンは、相談したわけでもないのに彼を思い遣ってくれるキャンディのことを父親のように懐かしがっていた。

監督はトムハンクスの息子。役者が主だが来歴を見たらタワーレコードやイーグルスのドキュメンタリーをつくっていていずれも高評価だった。中の人だから述懐者との間に壁をつくらず内なる声を引き出した。よくできたドキュメンタリーだった。
先日(2026年1月30日)キャサリンオハラの訃報があり、直近で見たこのドキュメンタリーを思い出した。いままでアマゾンプライムで無料で見た映画のなかでいちばんいい映画だった。
IMDB8.0、RottenTomatoes89%と96%。

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津次郎