ハムネット

劇場公開日:2026年4月10日

解説・あらすじ

「ノマドランド」のクロエ・ジャオ監督が、シェイクスピアの名作戯曲「ハムレット」の誕生の背景にあった悲劇と愛の物語を、フィクションを交えながら描いたドラマ。北アイルランドの作家マギー・オファーレルが2020年に発表し、英女性小説賞と全米批評家協会賞を受賞した同名小説を映画化した。

16世紀イングランドの小さな村。薬草の知識を持ち不思議な力を宿したアグネス・シェイクスピアは、作家としてロンドンで活動する夫ウィリアムが不在のため、3人の子どもたちと暮らしている。ペスト禍のなかで子どもたちを守り奮闘するアグネスだったが、不運にも11歳の息子ハムネットが命を落とし、家族は深い悲しみに包まれる。

「ウーマン・トーキング 私たちの選択」のジェシー・バックリーがアグネス、「aftersun アフターサン」のポール・メスカルがウィリアムを演じ、「奇跡の海」のエミリー・ワトソン、「ブルータリスト」のジョー・アルウィンが共演。スティーブン・スピルバーグとサム・メンデスが製作に名を連ねた。第98回アカデミー賞では作品賞ほか計8部門にノミネートされ、ジェシー・バックリーが主演女優賞を受賞した。

2025年製作/126分/G/イギリス
原題または英題:Hamnet
配給:パルコ
劇場公開日:2026年4月10日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第98回 アカデミー賞(2026年)

受賞

主演女優賞 ジェシー・バックリー

ノミネート

作品賞  
監督賞 クロエ・ジャオ
脚色賞 マギー・オファーレル クロエ・ジャオ
美術賞  
衣装デザイン賞  
作曲賞 マックス・リヒター
キャスティング賞  

第83回 ゴールデングローブ賞(2026年)

受賞

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演女優賞(ドラマ) ジェシー・バックリー

ノミネート

最優秀助演男優賞 ポール・メスカル
最優秀監督賞 クロエ・ジャオ
最優秀脚本賞 クロエ・ジャオ マギー・オファーレル
最優秀作曲賞 マックス・リヒター
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(C)2025 FOCUS FEATURES LLC.

映画レビュー

4.0 絶望するほどの喪失から、芸術を通して再生していく姿が美しすぎた。

2026年5月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

先日、シェイクスピア四大悲劇のひとつである『リア王』の舞台を観劇した。
「なぜ、彼はこんな悲劇を描いたのだろう。」
そう思ったことをきっかけに、シェイクスピアという人物そのものに興味が湧いた。

さらに主演のジェシー・バックリーが高く評価されていることもあり、終映間近の映画館へ駆け込んだ。

そして今、心から思う。

映画館で観て本当に良かった。

ジェシー・バックリーの演技は圧巻の一言だった。
息子を失った母親の悲しみ、怒り、絶望。その感情があまりにも生々しく、彼女が画面に映るたびに目が離せなくなる。

しかし、この作品の素晴らしさはそれだけではない。
家族の喪失、母親の悲しみ、喪失から生まれる芸術、そして夫婦の再生。
それらが丁寧に積み重ねられた脚本と演出は見事で、映画としての完成度が非常に高い。

鑑賞後に調べてみると、16〜17世紀のイングランドは疫病が流行し、宗教対立や政治不安、戦争や処刑が身近にあった時代だった。

平均寿命も短く、子どもを亡くすことも決して珍しくはなかったという。
現代の私たち以上に、人々は常に「死」と隣り合わせで生きていたのだろう。

だからこそ、この作品に流れる死の気配や喪失の重さが、妙にリアルに感じられた。

物語の終盤。

子どもを失った親の耐え難い絶望の先に、『ハムレット』の舞台が描かれる。

正直に言うと、シェイクスピアの台詞は難しい。
私はその意味を半分も理解できていなかったと思う。
それなのに、気付いたら不思議なくらい涙がこぼれていた。

「生きるべきか、死ぬべきか」

あの有名な独白が響いた時、私はそれを哲学的な問いではなく、息子を失った父親の叫びとして受け取った。

こんな苦しみを抱えながら生き続けるのか。
それとも終わらせてしまうのか。

言葉にしなければ抱えきれない悲しみを、物語として昇華することで、この絶望と向き合おうとしていたように見えた。

そして、その舞台を見つめる妻アグネスの姿もまた印象的だった。

張りつめた表情、怒りにも似た痛みを宿した眼差し。
しかし舞台が進むにつれ、彼女の表情は少しずつ変わっていく。
失われたものは戻らない。
それでも前を向いて生きていくしかない。
そんな静かな再生の瞬間が、あまりにも美しかった。

本作は、シェイクスピアの息子ハムネットの死という史実をベースにしながらも、多くは想像によって描かれている。
それでも観ている間は、「本当にこうだったのではないか」と思わされる説得力がある。

リアルと想像の境界線を巧みに行き来しながら、単なる歴史ドラマではなく、喪失と再生を描く普遍的な物語へと昇華している。

子どもを失うという想像を絶する悲しみ。
その悲しみを抱えながら、それでも生きていく人々。
そして芸術が持つ力。
そのすべてに心を揺さぶられた。

終映間近に映画館へ駆け込んで、本当に良かったと思える1本だった。

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AZU

5.0 シェイクスピアが生きた時代とは

2026年4月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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共感した! 13件)
猿田猿太郎

4.0 彼が「ハムレット」を書いた理由

2026年4月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 6件)
共感した! 42件)
ニコ

4.5 野蛮人のような主人公、演劇を観に行く。

2026年4月30日
PCから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 16件)
村山章