落下の王国 4Kデジタルリマスターのレビュー・感想・評価
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70点ぐらい。映像美
本当はスルーしようと思ってたんだけど、カルト的傑作とか幻の映画とかネットで読み、上映してるうちに観ておこうと1週おくれで観てみました。
『ザ・セル』と同じ監督だということは知っていたので予想していたけど、神秘的で幻想的な映像美。
やはり『ザ・セル』っぽい、そして『ザ・セル』と同じく眠くなる(笑)
この映画のウリは何はともあれ映像美で、大スクリーン映えする広大な砂漠など、IMAXレーザGTなどの大きいスクリーンで観たら最高だと思う。
これから観る方は、ぜひ大きなスクリーンを選んで下さい。
僕も大きなスクリーンで観たけど、1番後ろの席だったので今度は前の方で観ようかと思っております。
1週おくれのレイトショーだったけど、いっぱい人が入っていて人気がありました。
【今作は圧倒的な色彩美とシンメトリックな構図美の中で描かれる実在する世界遺産を背景にした数々の落下シーンに引き込まれる、想像力と生の尊さ、大切さを暗喩的に劇中劇で描いた逸品なのである。】
ー 劇場に入る際に、今作が公開された時のフライヤーを頂く。凄く嬉しい。
そして、映画の劈頭、プロデュース:デヴィッド・フィンチャー、スパイク・ジョーンズとテロップが流れる。それを見て、期待は益々膨らむのである。
そして、その後に描かれる二つの物語に物凄い勢いで没入していくのである。この美しい映画を大スクリーンで観ている僥倖感に包まれながら・・。-
■1915年。アメリカの或る町の病院。
撮影中の映画で、橋から落下するアクションをした際に足に大怪我をしたスタントマンのロイ(リー・ペイス)は傷心のまま、ベッドに横たわる日々。
そこに現れたのは、オレンジを取ろうとした際に落下し、腕を折った少女アレクサンドリア。ロイはアレクサンドリアの気を引き、”或ることを依頼するため”に壮大な「復讐の作り話」を聞かせて行くのである。
その「復讐の作り話」は、イタリアの非道な総督オウディアスにより愛する者を失ったり、誇りを傷つけられた6人の勇者たちが力を合わせて復讐していく物語だったのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・上記の様に物語は、病院内でのロイがアレクサンドリアに「復讐の作り話」を聞かせながら、自殺の為の”モルヒネ”を取りに行かせようとする物語と、劇中劇の「復讐の作り話」とが並行して描かれていく。
■特筆すべきは、この「復讐の作り話」の”圧倒的な色彩美とシンメトリックな構図美”である。
それは紺碧の空の下、砂漠が広がるシーンであったり、シンメトリックなタージ・マハル廟を背景にした総督オウディアスの許嫁、エヴリン姫(ジャスティン・ワデル)に銃口を向けた黒山賊((リー・ペイス:二役)の銃弾が姫の胸の装飾に留まるシーンであったり、プラハ城を舞台にした戦いのシーンであったり、スケール感も十分な世界観である。
この「復讐の作り話」の数々のシーンは、是非とも大スクリーンで鑑賞したいモノであり、観れば僥倖感を感じる事間違いなしである。
そして、”豪勢な映画を観ているなあ・・。”という満足感にも浸れるのである。
・ロイがアレクサンドリアに「復讐の作り話」を聞かせながら、彼女が高い所に置いてあるモルヒネの瓶を取ろうと、椅子の上に立って踵を上げるシーンでも、彼女が椅子から”落下”するシーンがしっかりと描かれるのである、スローモーションで・・。
・今作では、ロイは自らがアレクサンドリアに「復讐の作り話」を語る中で、その作り話から、生きる力を得て、生きる気持ちを取り戻していく”二重螺旋の構造”も、大変に宜しいのである。
<今作は”圧倒的な色彩美とシンメトリックな構図美の中で描かれる数々の落下シーン。”の壮大な世界観に引き込まれる、想像力と生の尊さ、大切さを暗喩的に劇中劇で描いた逸品なのである。>
映像 > 物語
構造が面白い
◇ 物語の雫から広がる映像の波紋
なぜ人は物語を語り始めたのか。
それは、抱えきれない思いや痛みを目を閉じて別の姿へ作り替え、心の中で扱える大きさに整えるためだったのかもしれません。『落下の王国』における男の語りは、その原初的な営みを思い起こさせます。少女の想像力を受けて形を変えながら、物語は二人の間にそっと居場所をつくり、弱った心を支えるための柔らかな足場となっていきます。
そして、目を閉じて生まれた物語が、目を開いたときに“映像”として立ち上がり、ダイナミックに広がってゆく過程こそ、本作の魅力の中心なのです。
煌びやかな映像によって、語られた物語が心の内側で変換されていくプロセスそのものが、風景の広がりや色彩の濃淡を通じて大胆に視覚化されています。言葉で抱えきれなかった感情の気配が、画面の奥行きや構図の静けさとして漂い、物語と映像が、互いを補い合うように連なって包み込んでくれるような感覚になりました。
その映像表現の広がりのなかで、“落下”というモチーフが随所に静かに散りばめられています。
落ちていく身体は死や悲しみの象徴でありながら、語り部と聞き手の心の交流を経て、どこか解放や再生のイメージへと昇華していくようでもあります。
鑑賞後には、映像と言葉のあわいに宿る“物語の力”が静かに胸へ流れ込み、心の奥で小さな振動のような感動が残っていました。
物語が本来秘めている、人の心を揺らす力。その力が映像によって再構成され、潜在意識に届けられる──その体験が、この作品ならではの深い余韻を生んでいるのでした。
先週4Kで見損なったので今週は週半ばにはしっかり予約したが今週末か...
映画館で観なくてはならないのだ
創造(ロイ×アレクサンドリア)÷現実=物語
映像美だけでなく、物語も演者も最高でした
チラシの映像美に惹かれて観に行きましたが、公開1週間経過しても劇場はほぼ満員の大人気でした。
内容については、映像主体の作品とばかり思っていたらさにあらず。映画撮影中の転落事故で怪我をして入院し、恋人にもフラれて自殺願望に陥ったスタントマン・ロイ・ウォーカー(リー・ペイス)と、果樹園で果物を採集中に木から落下して同じ病院に入院していた5歳の女の子・アレクサンドリア(カティンカ・アンタルー)のお話でした。
ロイは、アレクサンドリアに即興の冒険譚を話して聞かせる訳ですが、時代設定も地域も出鱈目っちゃ出鱈目のお話。ただ、毎日ちょっとずつお話が進み、アレクサンドリアの興味を次回に繋ぐ形式や、話をする魂胆が別にあるという部分などは、「千夜一夜物語」を彷彿とさせました。
そして何よりも冒険譚の中で展開される映像美は、世界各地の世界遺産を始め、壮大な光景の中で展開されていて、これが期待を遥かに上回る綺麗さで堪能しました。またロイ本人のお話と、冒険譚の中の黒山賊(これもリー・ペイスが演じる)のお話が重なり、最終的に結合していく展開も見事で、さほど期待していなかったストーリーも最高でした。
演者については、ロイもさることながら、とにかくアレクサンドリアを演じたカティンカ・アンタルーの可愛さが頭抜けて印象に残りました。彼女の無邪気さやロイへの愛情表現は、これぞ天才子役というべきものと感じたところでした。
そんな訳で、本作の評価は★4.8とします。
時代を超えて永遠に色褪せない名作
構想26年、撮影期間4年。
一切CGに頼ることなく、13の世界遺産と24カ国以上のロケーションをめぐって撮影された独創的な世界観の作品。
一体どれほどの制作費がかかったのだろう。
しかし、同じ規模の制作費がかかるとすれば、最近のハリウッド超大作とは比べものにならないほど意義のある映画作品だ。
2006年製作ながら、20年後の今観ても10年先をいくようなクリエイティビティが凝縮された120分の映像美。
ワンシーンワンシーン、1つずつのセリフ、どれもが忘れられないほど強烈な輝きを放ち続ける。
もちろんストーリーとしても、普通に観てもじゅうぶん面白いが、作品自体が何層にも重ねられた多層構造を持っていて、観る者次第で、年齢やその時の価値観次第で、さまざまな解釈や感想を喚起させる重厚な構成を持っている。
きっと観た人のほとんどが、映画館を出る際には、すぐに感想を言語化できないはず。
観る者の脳裏に、心の奥底に、シーンやセリフや映像美が長く滞留し続け、自分の言葉で整理できるようになるまで時間がかかるはず。
そして、少なくない人が「もう一度観よう、観たい」と思うはず。
映画好きなら、一生に一度は観ておきたい必須の名作映画。
目に映る世界は全てが美しかった。
全てが美しかった。
映像を観るだけで価値があったと思う。
でもこの美しさはアレクサンドリアの無垢な心の美しさを反映したのだと思った。
彼女が健気すぎて泣ける。
大人達はこの子の笑顔と純粋さに守られている。その純真さでこっちでママをこっちで彼を庇う。おかげで心の中で何度も彼にブチ切れた私。
だからフラれるんじゃ!怒!!そういうとこだよ本当。
彼のおかげで美しい世界観がなんか若干、人の欲で生々しくなったかもしれん。
美しいものが大好きな私の集中力を返せ!!笑
とはいえ、あらすじすら前情報を仕入れず観たのもあって、思っていたのと全然違って逆に面白かった。
結構コミカルで、色んな所でクスクス笑えた。
あとやっぱ圧巻の衣装だったわー。
同時に出てくる建物が全部美しくて、それを存分にいかした演出で、隅々まで美しかった。
ドライアイに御注意
13の世界遺産、それって意味あるの?
ターセム・シン監督の共同脚本による映画で、構想26年、撮影期間4年を掛けた作品との事ですが、13の世界遺産、24ヵ国以上のロケーションでの撮影、それって監督の自己満足だけで、意味あるの?と言いたくなる作品でした
特に見たいと思った作品ではなかったものの、旅好きゆえに13の世界遺産と言われると、つい見てしまう事になりましたが、はっきり言ってガッカリでした!
世界遺産13といっても、あんなカットばかりで何の意味があるのか?不明で、撮影費の無駄遣いとしか思えず、しかも恋人を主演俳優に奪われ、その復讐の為に戦うというストーリーも幼稚で、男らしくない腐った話で、自分の自殺の為に子供に盗みをさせるという、自分勝手で卑怯この上ない主人公が、作り出した話なのに、どうしてこんなに観客が入っているのか?私には理解できませんでした
劇中音楽と、石岡瑛子さんの衣装は素晴らしかったです
落ちるのは目に見えるものだけでなく。
最初にこの映画についてだが、鑑賞後に円盤の価格を調べたところ2万くらいする。映画の配信が当たり前の世の中でこれだけプレミアが付くとなると大体配信などない。この作品もその一作。私の周囲にも本作を知らない人ばかり。
それで持って私もこの作品の再上映告知トレーラーがYouTubeのホームに現れるまで存在も知らなかった。トレーラーには凡そ2006年制作のものとは思えないレベルの美麗な映像美が広がっていて、こんなオーパーツを誰も知らんとは流石に内容に難があるだろ………と、疑ってコメントを見れば絶賛の嵐。
何がどうなってるのか分からずデヴィッド・リンチ的ななんかやろ、と先入観マシマシで鑑賞に望んだ。
いや、え?嘘だろこれ?
と目を疑りたくなるような映像美の暴力がそこには広がっていた。見渡す限り妥協一切なしの美術品。衣装、風景、役者、小物、カメラワーク、レンズの絞り具合等など全部がまぁ"綺麗"だった。綺麗すぎる。
しかも本編はほぼCG無しと聞いて本当に隙が無い。そりゃ構想に20数年かかるし撮影も4年かかるわけだ。
それを逆手に脚本にギミック練り込まれていたりするし、マジで神様が今ここに存在させたかのような奇跡のような映画。
その上凄いのは画だけでなく音響周りも。戦闘シーンや日時シーンもサウンドの扱いが巧妙で、1歩引いたカメラワークが多い本作でも一気にこの世界に引き込め魔力があった。
それでいて脚本は万人受け志向。
とにかくこの作品の登場人物たちは落ちるし落とすのだ。それはものであったり、本人であったり、目に見えないものだったり。それを死にたがりの主人公が少女(アレクサンドラ)に作り話をしながら自分の価値観を、、、というのが大筋。
映像が迫真すぎて脚本があまり話題にならないのも致し方ないが、見た人を勇気付ける多幸感も兼ね備えたとんでもない怪作。とっ散らかってるようにみえて物凄く整頓されているのだ。
正直売れてもいいと思うのに、多分おそらく制作体制でのこだわりが強すぎて有名にならなかったのだろう。お陰で版権問題がつきまとっていると予想される。
そのせいで見る機会が限られ過ぎている一作だが、是非全員に見て欲しい力作。
また何度も見たいと思える魅力もある。もしもう一度見られたらまた見たい。
絵にも描けない美しさ〜
全118件中、61~80件目を表示
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