劇場公開日 2025年11月21日

「幻想と現実が溶け合う美しい“物語”の旅」落下の王国 4Kデジタルリマスター 藤宮・アーク・紗希さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 幻想と現実が溶け合う美しい“物語”の旅

2025年12月6日
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鑑賞方法:映画館

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『落下の王国』は、とにかく“映像そのものが物語を語っている”作品でした。スタント事故で絶望の中にいるロイと、腕を骨折して入院している少女アレクサンドリア。ふたりの出会いから始まる物語は、ロイが語る冒険譚をアレクサンドリアが自分の想像力で再構築するという、独特の視点で進んでいきます。

広大な砂漠、美しい水辺、色彩豊かな衣装。どれもCGではなく実際の世界各地で撮影されているので、空想のはずなのに「本当にどこかに存在していそう」と思わせる説得力がありました。特に少女の“空想”そのものが映像化されているという構造は、何度見ても魅了されます。

ロイにとって物語は逃げ場所でしかなかったけれど、アレクサンドリアはその言葉を純粋に受けとめ、彼の傷ついた心に寄り添っていく……そんなふたりの関係が、静かに胸に響きます。
見終わったあとも、彼らの“物語”がずっと心の中で続いているような、余韻が残る作品でした。映像美と人間ドラマの両方を求める方には、ぜひ一度触れてほしい一本です。

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藤宮・アーク・紗希
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