「込山監督はまだ怒っている」はだしのゲンはまだ怒っている EIJIさんの映画レビュー(感想・評価)
込山監督はまだ怒っている
BSの番組も見たが映画化されたことで、さらに進化している。監督自らの語り、黒い画面に爆音だけが轟くのもにくい演出であった。音だけ聞かせることで何とも言えぬ没入感、想像力を掻き立てられる。
戦争体験者の言葉一つ一つがとてつもないリアリティをもって胸に突き刺さるの言わずもがな。中でも一番興味深かったのが後藤氏のインタビューである。このインタビューが入ったことで俄然面白さが増した。歴史観については首をかしげたくなるが、ともすると単調になりそうな作品に良きアクセントになったのは間違いない。元広島市長、江種さんのインタビューも良かった。戦争直後を生き抜くにはきれいごとなど言ってられない。法を犯してしたというのが真実、説得力が半端ない。戦後80年の今こそ、核兵器について真剣に考えるべきではないのか、そうした問いをゲンに突きつけられた気がした。そして、今無性にはだしのゲンを読みたい。戦争を知らない世代こそ見るべき作品。
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