劇場公開日 2025年11月15日

「今、多くの人に観てもらいたい」はだしのゲンはまだ怒っている Rosaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 今、多くの人に観てもらいたい

2025年11月16日
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鑑賞方法:映画館

東京での公開2日目の日曜日、ポレポレ東中野で観ました。上映後には、制作者、出演者による舞台挨拶もあり、満席でした。観客は、高齢の方ばかりかなと少し心配しましたが、若い方も結構多かったです。

中沢啓治さんが描かれた漫画「はだしのゲン」は、被爆の実態を描いたとても重要な歴史漫画。映画は、この漫画が伝えてくれる内容に関して、様々な関係者へのインタビューや、作者がこの漫画を描くに至った経緯などを深掘りして伝えてくれる内容。
特に、講談師の女性が「はだしのゲン」を題材とした演目を演じる場面は圧巻でした。
インタビューの殆どは、戦争の悲惨さや戦後も続いた被爆者の苦労など、涙なしには聴けない内容でした。
映画の中で、何度か原爆投下直後の何とも言えない爆音(再現音声)が流れるシーンがあり、映像はないけれど、その爆音の下でとても大勢の人間が爆風に吹き飛ばされ、内臓まで熱線に焼かれ、大事な家族、命、人生を破壊されたのだと、実感させられます。

このタイミングで、このような映画を作ってくれた方々に感謝します。ニュースでは、「非核三原則の見直し」などという言葉が踊っていますが、これこそ「はだしのゲンはものすごく怒っている」と思います。

Rosa