劇場公開日 2025年10月10日

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「生に繋ぎ止めるということ」スノードロップ Noriさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0 生に繋ぎ止めるということ

2025年11月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

難しい

2015年、実際にあった無理心中事件を題材とした作品。介護が必要な母、出戻りの父、その父の疾患による失職など、多くの事実をそのまま借用しているようだ。
生保申請と、その調査の受け止め方についても含めて。

上映後トークショー付きだったので監督の思考の一部はうかがった。
生活保護制度自体がスティグマとして捉えられる、というのは確かにそう。だが、この事件の核は引きこもりと8050の方なのではないか、という感がある。うまく他者と関われない娘が家・家族という守られた枠の中での生活に安住する。社会との有機的な繋がりのなさ、その蔓延というのは、日本のみならず先進国の抱える問題ではある。
また、心中するほど苦しいとき、それを選択するのは罪なのか?死ぬ権利を認めない社会は、死にたい人を包摂し得るのか?死にたいのに死ぬなというのは、勝者のエゴなのでは?
そんなことを考える。
答えはまだない。

Nori