「ショッキング!笑い!の死の運命から逃れられない!」ファイナル・デッドブラッド 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ショッキング!笑い!の死の運命から逃れられない!
九死に一生を得た若者たち。
が、死の運命から逃れられなかった。
“死神”の魔の手が襲い来る…!
“死神”と言っても巨大な鎌を持ってフードを被った奴とかリンゴ好きのフルCGの奴とかが堂々登場する訳じゃない。あくまで日常の中の何かが引き金となって惨劇と死の連鎖を引き起こしていく…。
そんな斬新な設定と天晴れな死に様とそれに至るまでの巧みな展開で人気を博したホラー『ファイナル・デスティネーション』。
これも『ソウ』と同じく1作目は秀逸で面白かったけど、回を追う毎にグロい死に方だけが見せ場となりマンネリ気味に…。
シリーズは5本作られたが、まさか14年ぶりに6作目が作られようとは…!
まさかまさか、シリーズ最大のヒットと最高の評価を得ようとは…!
またまたホラーリブートの成功作。確かに面白かった。でも、日本劇場未公開…。(リリース前に一部限定特別公開されたけど)
久々の新作は原点回帰であり、新たな要素も。
1960年代。アイリスは恋人ポールと共に高層タワーてっぺんのスカイレストランのグランドオープンに。が、客たちの行動や設備の不備が連鎖して崩落する大惨事に…! 『ジュラシック・ワールド 復活の大地』のお菓子の包み紙はツッコミだったけど、こちらのコイン一枚は妙に説得力あり。
…という悪夢を見た現代の大学生ステファニー。毎夜毎夜それに悩まされ、成績も落ちる一方。
アイリスという若い女性は会った事の無い祖母と同じ名前。何かの関係と悪夢の原因を探る為、帰郷。
父や叔父は祖母の話を避ける。長らく疎遠で家族を崩壊させた異常者とだけ。それでも手掛かりになる手紙を見つけ、初めて祖母の元を訪ねる。
人里離れた地に要塞のような家で一人暮らす祖母。言動もヤバい。初めて会う祖母がこんなんだったら確かにヤだ…。
祖母によると…、アイリスは祖母の若い頃。大惨事の予知夢を見、惨劇を食い止めた。が、死の運命から逃れられない。あれから長い年月を経て、あの時死ぬ運命だった人々やその血族が相次いで非業の死を遂げている。次はいよいよ私たちの番。家族に死が迫っている。死神からは絶対に逃げられない…!
こんなキチ○イのような事、誰が信じようか。ステファニーも当初は信じなかったが、死からの回避を研究したノートを渡そうとして家から出た祖母が目の前であり得ないような死に方をする。
祖母の言った事を信じるようになり、家族に忠告するが、誰も聞く耳持たない。そんな家族を…。
ピタゴラスイッチの如き死の法則や連鎖がやはり面白い所。
何かが割れたり壊れたり、ガラスの破片やジャンプ台の下の鎌や草刈り機やゴミ収集車や道端で遊ぶ子供たちや自販機や病院装置やら、これ見よがしに印象付ける“死神の道具”に、“志村!後ろ!”とでも言いたくなるハラハラ。
ありえねー!過剰な死に方だが、でも中には本当に日常であり得そうな危険性も。
それらただショッキングやグロいだけではなく、ブラック・ユーモア交えたり。よく思い付くなぁ…と天晴れするほどのバリエーション豊かな死に様は、近年それが十八番だった『ソウ』や『テリファー』にだって負けやしない。いや寧ろ、こちとら本家や!
個人的ベスト死に様は、ゴミ収集車に潰された従姉妹。
祖母の返り血をたっぷり浴びたステファニーの形相もなかなか。
シリーズのお約束をしっかり踏襲しつつ新要素は、これまでは専ら若者グループだったが、呪われし一族のような家族ドラマになっている点。
予知夢で人生も家族も崩壊させた祖母。そんな母にうんざりの子供たち。ステファニーの母も影響でステファニーを捨てた過去。ステファニーや弟や従兄弟たちの若い世代。
死を塞き止めている間は死は訪れないが、それが破られると血縁順に一人、また一人と…。
ステファニーたちは死の運命に抗おうとする。その過程でわだかまり解けるステファニーと母。家族物語としてもコンパクトに纏まれている。
正直キャストは誰一人知らないが、その分次誰が死ぬかとか容赦なく死ぬとか(子供でさえも)、不謹慎ながら死の見せ場をドキドキ盛り上げる。
若いクリエイターの手腕も巧みなもの。原案にMCUスパイダーマンのジョン・ワッツ!
唯一シリーズの常連、トニー・トッドの遺作にも。次、誰が助言をくれるの…?
長らく止まっていた死の連鎖が再び動き出した。
次は誰が…? どんな死のピタゴラスイッチを見せてくれる…?
次も期待してしまうほどの死に様(面白さ)だった。
