劇場公開日 2025年10月24日

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「ステレオタイプの裏側」ミーツ・ザ・ワールド TSさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 ステレオタイプの裏側

2026年7月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

劇場公開時に、「ナイトフラワー」と印象が被って、鑑賞リストから外した作品。
杉咲花が主演だったことを思い出して、配信で観た。

舞台が歌舞伎町ということもあって、夜の街で出会った若者達が交流を深める中で事件が起きて・・・というありがちなストーリーを想像していたが、想像に反して、事件らしい事件は起きない。
そして、特筆すべきは、No.1ホストと美人キャバ嬢が出てくるのに、ホストクラブとキャバクラのシーンがない。一切ないのだ。原作未読なので原作で描かれていたのかどうかはわからないが、映像化するなら一番映えるであろうシーンを一切撮っていない。
勝手な想像だが、意図的にそのシーンを外していると思う。そしてその意図とは、ステレオタイプなホストとキャバ嬢の代表としてアサヒとライを描くことをしたくなかったからだろうと思う。確かアサヒ自身が劇中の台詞で「ホストと言ってもいろんな奴がいる」という意味のことを言っていたことから感じたことなのだが。

主人公の由嘉里も、典型的腐女子、オタク的言動を見せるのだが、ステレオタイプな腐女子像にあてはめることはできない。
この作品は
・新しい世界に触れて、自分の世界観が変わる
・今まで出会ったことのない人と過ごして、自分が少し変わる
・そうした経験を通して、改めて自分を知る
ということに加えて、
・一括りにステレオタイプな人物像で語りがちな人たちも、それぞれ抱えているものがある
という当たり前のことを訴えたいのだろう、多分。

そして、この作品は確かに劇映画であり、役者は確かに「演技」をしているのだが、登場人物にリアルさが感じられるのは、演じている役者の演技が優れているのだろうと思う。中でも群を抜いているのは、やはり杉咲花。脱力しているときとスイッチが入ったときの落差の演技が見物だし、終盤にライの元恋人(声:菅田将暉)と電話するときの嗚咽のシーンでは、涙と鼻水を一緒に垂れ流すアニメキャラのような泣き方。このシーンは今まで観た映画の中でも10本の指に入るくらいの泣きの演技だった。恐るべし。

鬱屈したものを抱えながら、日々を生きる都会人の日常とちょっと非日常。すぐそばに、知らない世界がある。自分の生き方を変えるかもしれない出会いがある。そんな可能性を感じさせてくれる映画だった。

TS
あんちゃんさんのコメント
2026年7月23日

共感ありがとうございます。知らない世界ではあるのだが、すぐそこにあるのでは、と感じさせる凄みのある作品だったと思います。

あんちゃん
トミーさんのコメント
2026年7月22日

共感ありがとうございます。
キラキラ・・と揶揄したレビューを上げましたが、原作金原ひとみの世界観には合ってたと思います、自分一時期彼女の著作、結構読んでたので。この原作はパラパラ立ち読みだけでしたが。

トミー