「下衆な心理戦」ブラックバッグ すーちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
下衆な心理戦
「裏切りのサーカス」に似ているとの感想を見かけたので、絶対好きなタイプの映画だ!と直感して観に行きましたが当たりでした。
94分で短め、それほど難解ではなく肩の力を抜いて観れました。
ほぼ心理戦で会話劇なのは想定内。
S.ソダーバーグの映画、それほど意識して好んで観ているというわけではないのですが、見始めるとあーそういえばこんな感じの作風よね!とニヤニヤしてしまう。
今作もカメラワークとか撮影が小洒落てました。
(人物以外の背景がいつもモヤがかかっているような、独特のピントの合い方)
現実の諜報部員って日々の仕事は地味なのに、常に裏切り者の陰に怯えて命の危険と隣り合わせなのはちょっとかわいそう。
夫妻のお住まいのインテリアがお高そうだったり、妻はエルメスのバッグを持ったりしていたのでお給料は良いのかも?
ゆすりのネタがほぼ下半身事情なのがちっさいのですが、意外とこんなもんかもねと思ったり。
GPSトラッキングの顔判別がトロかったり、嘘発見器がアナログなところに妙なリアリティを感じました。M:Iとかはハイテクすぎる〜
マイケル・ファスベンダーとケイト・ブランシェットが夫婦役ですが、スパイっぽさはブランシェットのほうが上。
過去の映画で山ほどそれ系の役をやってますしね。
ファスベンダーは料理してるか釣りしてるシーンばかりでした(笑)が、佇まいが美しいので画面映えしていました。
さて、白髪のダンディ上司を誰が演じているのか最後までわからなかったのですが、ピアース・ブロスナンだったんですね。
自分の中では007のイメージで時が止まっていたので、しばらく見ないうちに貫禄が!
元ジェームズ・ボンドが…て考えると、なかなかニクイ演出です。

