劇場公開日 2003年4月19日

「シカゴは何でもありの街なのさ! 享楽に耽って何が悪い!」シカゴ あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0シカゴは何でもありの街なのさ! 享楽に耽って何が悪い!

2020年10月12日
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鑑賞方法:DVD/BD

ミュージカルを堪能した!その喜びを感じられる傑作です!

ジャズクラブのショーとシカゴの街を題材に取り上げているのが勝利のポイント
だって発射台が高いのだから

主人公はシカゴの街そのものです
だからタイトルがシカゴなのです

シカゴはご存知の通り、アメリカ中西部の都市
本作の舞台の1920年代ならアメリカ第二の大都会です
工業も盛んですが、当時から今も全米から穀物、食肉、鉱物が集まって、世界一の商品先物市場のある街です
つまり商都です
全米から金が集まって来る街です

歴史のある大企業の本社も結構シカゴです
古い映画を観るとNYとシカゴの間を夜行の特急列車でビジネスマンが盛んに出張で行き来するシーンが多く観られます
日本でいうと東京と大阪みたいな関係のようです

御時世で前世紀半ば頃から、NYに本社移転が進んだようですが今も商売の街の気風は変わらないようです

そしてサンフランシスコは東洋への窓、ニューヨークは欧州や中南米への窓ですが、シカゴはアメリカ国内だけを相手にしています
ただカナダだけは湖のすぐ向こう側です
禁酒法で飲めない酒を密輸してきたり、他のヤバいものもシカゴなら手に入ります

だから全米から食い詰めもの、金の亡者や商売女にヤクザものが、金の匂いに釣られて集まってきます
金が唸れば、酒と女と賭博に音楽とショー
享楽に明け暮れて当然です
それにまつわる繁華街の路地裏の人々の人口もまた全米一です
そうなれば、人間もスレ切って堕落する街になるのも当然のこと

つまり日本でいうならVシネマに出てくる大阪のようなイメージなのだと思います
つまり享楽と背徳の街です

シカゴと言えばアル・カポネ
彼は1930年代の人物なので、本作の数年後登場して来ます
彼を生み出す土壌のある街なのです

シカゴは金があれば何だってやれる街
金が無くても才覚や度胸や腕っ節があるなら
なんだって不可能はない街
だってオール・ザット・ジャズだからさ
シカゴは何でもありの街なのさ!
享楽に耽って何が悪い!

リチャード・ギア始め、どの役者も芸達者
ミュージカルの楽しさ、華やかさ、面白さを満喫しました!

あき240