「復讐譚の元祖を格調高く映像化」モンテ・クリスト伯 すーちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
復讐譚の元祖を格調高く映像化
あらすじは知っていましたが原作は未読。
はるか昔の児童文学全集では「巌窟王」というタイトルでしたよね。
長いしなんだか難しそう…と尻込みしてしまって以来、読む機会もなく。
主演のピエール・ニネが好きで、映画化と聞いてこれは観なきゃと楽しみにしていました。
何これ、めっちゃ面白い。
前半1時間が脱獄モノ、後半2時間がじっくり倍返し(!)タイム。
悪党が私利私欲まみれで同情の余地ナシなので、復讐に燃える主人公にただただ共感できてスッキリ。
ある意味、主人公が究極の悪役。
復讐のやり方も外堀からじわじわ埋めてくのがワクワクするし、単純に殺して仇討ちで終わらないのが良かったです。
どこまで原作を改編しているかわかりませんが、21世紀の人間にも楽しめる復讐劇になっていました。
エデ役の女優さんが大変綺麗で画面に登場するたびに目で追ってしまいましたが「あのこと」で中絶に奔走する女子大生役だった方なんですね。
ピエール・ニネは眼の演技が上手く、台詞がなくとも絶望や憎しみ、怒りを表現できる良い役者さん。今作のダークヒーロー役も思った通り、大変ハマっておりました。
というわけで、ヨーロッパ産美男美女は目の保養だし、衣装やセットも妥協なしでお金もかかっていてこれは映画館で観るのにふさわしい大作。
なのに、都内でたった2館しか上映していないってどゆこと?
洋画衰退の片端をここでも感じとり寂しくなるなど…
劇場が中高年でほぼ満席だったのが救いでした。
追記
パンフレット掲載のインタビューによると、海中に沈められた死体袋から脱出するシーンはフリーダイビングのオリンピック選手のレッスンを受けて、ニネ本人が演じたそうです。
実際に重りを付けて縛られた状態で15メートル沈んだ…って、身体張りすぎですね 笑
本国の大ヒットで報われたのではないでしょうか。
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