誰のための公共事業 ギロチンが宝の海を壊した
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解説・あらすじ
「第5回 TBSドキュメンタリー映画祭2025」上映作品。
2025年製作/74分/G/日本
オフィシャルサイトスタッフ・キャスト
- 監督
- 里山千恵美
「第5回 TBSドキュメンタリー映画祭2025」上映作品。
2025年製作/74分/G/日本
オフィシャルサイト有明海は江戸時代以前から干拓が行われてきた歴史があり、特に1997年の諫早湾干拓事業における潮受け堤防の閉め切り(通称:ギロチン)は、その後の環境変化や法的紛争を含め、現在も大きな社会問題となっています。諫早湾干拓の元は1952年(昭和27年)に当時の長崎県知事・西岡竹次郎によって発表された「長崎大干拓構想」で太平洋戦争後の深刻な食糧難を背景に、平地が少ない長崎県において広大な水田を造成して米の増産を図るものでしたが、その後の米余りや社会状況の変化により、「防災」や「多目的開発(畑作・水資源確保)」へと目的がすげ替えられていきました。開門を要求する漁業関係者と反対する干拓地の農業関係者の裁判での争いも二転三転、最高裁は2023年3月、開門を命じた過去の確定判決を無効とする判決(開門せず)を確定させました、判断事由は主に以下の通りです。
●事情の変動と漁獲量の回復: 2010年の確定判決後に「事情の変動」があったと認定されました。具体的には、確定判決が重視した「魚類」の漁獲量だけでなく、シバエビなどを含む「魚種全体」で見れば、諫早湾近傍の漁獲量は増加傾向に転じていると判断されました。
●因果関係の否定: 漁業被害の大半が、堤防の締め切りによって生じたとは認められないとされました。
●開門による不利益の重視: すでに広大な干拓地で多くの農業者が入植しており、開門によって塩害などの被害が生じるなど、現状では開門が現実的ではないという状況が考慮されました。
また、2024年4月には、別の「開門請求訴訟(長崎2次・3次)」についても最高裁が上告を棄却しており、これをもって「開門せず」という方向で司法判断が完全に統一されました。
本作を観る限り、干拓地の農業も課題が多くタイトル通り「誰の為の公共事業」かと言わざるを得ませんね、劇中でも干潟の再生の実例として三重県英虞湾の事例をあげ、研究者、行政、漁業者、地元住民とバランスの取れた構成での本音の話し合いの重要性を説いていましたね、一方、農水省が主催で行った話し合い説明会では「開門を前提としない」という条件を付けていました。やはり、政治的解決ではなく不漁問題などは因果関係のデーター収集、分析、科学的判断を最重視すべきでしょうね。関東人ですがこれからも関心を持って本件を見守りたいと思いました、RKBさん続編希望です。