「「艦風」の良さ」雪風 YUKIKAZE Gonzoさんの映画レビュー(感想・評価)
「艦風」の良さ
クルーが「吾輩は猫である」を読むシーン、ジョンウェイン「駅馬車」の話をするシーン、先任伍長が羊羹を分けるシーン、艦長が三角定規について聞かれて放物線や投下角度がどうとかもっともらしい説明をした後「大体はカンだがな!」と一笑するシーンが印象に残った。こういうのがパンフのコラムにあった「艦風」の良さなのか、と思った(コラムでは菅間良吉艦長の談話として引用、『上から下まで一緒になって酒をのむ、ワイワイ言ってね』)。対空戦闘が毎回三連装機銃の射撃を同じような角度から同じように映しているのでまたか、と思ったがVFX監督の話によると機銃の変更は反映しているのだとか。あとになって電探ついたのをさりげなく織り込んでいたり、艦橋の天井ハッチが開いて戦車の車長のように周囲観察できるようになってたりといったディテールにもこだわっているようだった。以前造ったフジミの陽炎型模型観たら確かに艦橋上測距儀のすぐ前にそれらしい構造があった。
総じてあの恐るべき日米戦を生き残った艦とそのクルーのドラマが感じられる映画だった。
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