「殉教者の人生ダイジェスト」ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
殉教者の人生ダイジェスト
ロンドン・ウェストミンスター寺院の「20世紀の10人の殉教者」のレリーフになっているボンヘッファー牧師。
ナチス統治下のドイツで、彼の反ナチス・反ヒトラー活動がどのようなものだったのかを、ダイジェストドラマ的にまとめていました。
第一世界大戦で亡くなった兄の形見の聖書を受け取ったのがきっかけで牧師になる道を選んだり、黒人の牧師仲間がアメリカで白人からの仕打ち受けるのを見て人種差別への反発を覚えるようになったり、細かいエピソードを積み上げ、人物像を浮かび上がらせる作り。
ボンヘッファーは、キリストの再来みたいな、我が身より信仰をという姿勢を貫く殉教者キャラとして描かれる。
正直、キリスト教徒ならぬ我が身には共感できないものの、神のもとでの平等の意味と、ナチスの「ヒトラーが神と同じか神より上の存在」とする考えの下で聖書を改竄する様がいかに酷いかは、理解できた。
歴史や考え方などを学ぶという点では良い作品ですが、芸術や娯楽という面での、映画としての出来は微妙かな。
彼と、彼の友人であるニーメラー牧師など、反ナチス活動を行った聖職者たちの名言集みたいな側面もあり、私程度でも知る言葉が次々と出てきましたよ。
「悪に直面して黙ること自体が、悪である」(ボンヘッファー)
「ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった。
私は共産主義者ではなかったからだ。
ナチスが社会⺠主主義者を牢獄に入れたとき、私は声をあげなかった。
私は社会⺠主主義者ではなかったからだ。
ナチスが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった。
私は労働組合員ではなかったから。
それから学校が、新聞が、ユダヤ人がとなり、私はそのたびに不安になったが、やはり何もしなかった。
そして、ナチスが私を攻撃したとき、私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった」(ニーメラー)
