Cuckoo
2024年製作/102分/ドイツ・アメリカ合作
原題または英題:Cuckoo
スタッフ・キャスト
- 監督
- ティルマン・シンガー
- 製作
- ジョシュ・ローゼンバウム
- ケン・カオ
- ソー・ブラッドウェル
- 製作総指揮
- トム・クイン
- ジェフ・ドイッチマン
- ジェイソン・ウォルド
- エミリー・トーマス
- 脚本
- ティルマン・シンガー
- 撮影
- ポール・ファルツ
- 美術
- ダリオ・メンデス・アコスタ
- 衣装
- フラウケ・フィルル
- 編集
- テレル・ギブソン
- フィリップ・トーマス
2024年製作/102分/ドイツ・アメリカ合作
原題または英題:Cuckoo
托卵とは、卵を他の鳥の巣にあずけて、孵化や餌付けをやらせる習性で、Wikiによるとカッコウなど約300種類の鳥に托卵をおこなうことが確認されているそうだ。
さらに驚異をおぼえるのは托卵された巣でカッコウの雛がおこなうエッグトッシングという行動である。エッグトッシングとは生まれたばかりのカッコウの雛が、誰に教えられたわけでもないのに、他の雛や卵を巣から落とす行動のこと。
カッコウの雛は、生まれてすぐ他者を蹴落とす。つまり他者を蹴落とす本能をもって生まれ、背中を利用してズリズリと執拗に、他の雛を落とそうと試み、じっさいに落とす。結果、托卵をされた親鳥は、知らないうちに入れ替わったカッコウの雛を自分の子供だと思って餌付けして育てることになる。
それはかれらの生存戦略であり、鳥類の進化の歴史のなかで、編み出された方法なのだろうが、人間から見るとえげつない。
このカッコーの無慈悲な習性をモチーフとしたホラー映画。米独合作で、題はまんま「Cuckoo」。
映画にはオリジナリティを感じた。雰囲気は、ボーダー二つの世界(2018)とかBorgman(2013)や、シーバースやラビットの頃のクローネンバーグのようでもあった。
また、たとえばグッドナイト・マミー(2014)とナオミワッツのリメイク、あるいは胸騒ぎ(Gæsterne/Speak No Evi、2022)とマカヴォイのリメイク、それらの間には米英とヨーロッパの明らかな空気の違いを感じるが、この映画からもヨーロッパの退廃的空気感が感じ取れた。
とりわけ高い声で時空を歪ませるフードをかぶった女の造形は不気味でとても怖い。
imdb5.7、RottenTomatoes79%と58%。
批評家も一般も伸びていないのは、米英映画とちがって、ヨーロッパ映画は、倫理観を調整しない。善悪や後味も調整しない。それらの調整しない度合いがこの映画は大きめだった、ゆえの伸び悩みだと思われる。
役者ではDan Stevensが巧かった。Dan Stevensという俳優は、シュッとしたイケメンのせいか、演技が見過ごされるきらいがある(ような気がする。)ただ、どの映画・ドラマに出てくるDan Stevensも演技がとても巧い。女がいくらでも寄ってきそうな美男子だが愛妻家で子供が三人いる──ことも好感。Susie Harrietで検索すると感じのいい奥さんとのツーショットがいっぱい出てくる。
ヒロインはハンターシェイファー。元男で上背が178センチある。切れ長のモデル風顔立ちで、トランスジェンダー気配はまだ僅かにあるが、昔のシャルロットゲンズブールを思わせるボーイッシュなところもある。(元男にボーイッシュというのは変だが、転換後の性が馴染んで、元男だからボーイッシュなのではなく、ボーイッシュな女のほうが印象として勝っているという意味において)。フェミニンではないがトーマシンみたいな細身の巨乳で画からもグラマーな印象はあった。wokeらしく主張させるとうるさそうだが、女優としては魅力的だった。