劇場公開日 2025年8月8日

「クニが望むもの ヒトが望むこと」アイム・スティル・ヒア 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 クニが望むもの ヒトが望むこと

2025年8月14日
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 …悲しみが消えることはない。ただ時間と共に小さくなるだけ。いつもそっとポケットにしまってあるだけ。

 確か「ラビットホール」に、そんなセリフがありました。お婆ちゃんになったエウニセ姐さんに去就するものは何だったのか、私には、ちょっと想像できないけど。
 あまり家族との楽しい思い出が、見当たらない私です。でも、家族なんだよね~。少なくとも、他者の都合で引き離されたことはありません。今にしてみれば、それ自体が凄く大切なことだったみたい。
 少しネタバレしますが、序盤の8ミリだか、16ミリで、撮られたフィルムに残る家族の笑顔。未来のお家に、夢と希望を託した笑顔。あれが、何にも替え難い幸せな宝物だったことに、後で気づかされます。
 きっと私にも、思い出せないだけで、他に替えられない幸せな宝物、あるんだろうな。それに気づかせてくれた映画に出会えたことに感謝です。ちょっと出掛けるね~って言ったら、渋々許可した家族にも、感謝しないとね。

「アクト オブ キリング」
「ルック オブ サイレンス」
 クニの都合でヒトが非道い目に遭う映画は、いくらでもあります。でも、おかしな話だよね。ヒトが暮らし易くするのが、クニの存在理由なのに、クニがヒトを、不幸にする。しかも、組織的にね。
 クニが正式に謝罪を表明。時折、耳にしますが、クニって何だろう。クニって誰だろう。

 謝罪したクニは、その後、どうすればいい?

 謝罪したクニに、国籍を持つヒトは、その後、何をしたらいい?。

 このクニの8月は、そんなこと考えてみるのも、いいのではないのでしょうか。

機動戦士・チャングム