「感傷的で慈愛に満ちていたような─」LOVE SHさんの映画レビュー(感想・評価)
感傷的で慈愛に満ちていたような─
一連の3部作の最後の観賞。3つの中では、台詞などには哲学的な要素が少ない気がしました。なので、恋愛模様を楽に堪能できるかなぁなんて思ったのですが、設定や絡み合う事柄が結構特異だったためか意外とムズいと・・・
離婚して子供や前妻との交流も頻繁にある男性が省庁の役人を介して女性医師と出会い交際に進展したり、男性看護師がマッチングアプリを使用して男性交際相手を探して男性医師を選び出しそれが紆余曲折して、交際というか交流というかあるいは別のもの・・・に発展していったり、とにかく色んな要素が盛り込まれていました。巻き起こる出来事が感傷的なものが多くて、フリーラブという要素を多分に含んでいながらもそれがかえって・・・んーどうなのかなぁ・・・という展開が多かったように思います。難解さは感じませんでしたが、難しいところは大いに感じました。実を結んだイベントもなんだかよく分かりませんでしたし・・・
3部作だからといって繫がりとか関連性は全く感じませんでした。どれを見ても見なくても、またどれから見ても全く問題ないように思います。とはいえ、どれから見るかによっては、それぞれの作品の印象は違ってくる気がします。自分はDREAM→SEX→LOVEの順番で、台詞や語りが多かったとはいえ構造がシンプルだったDREAMから見たせいか、あとのSEXとLOVEが難しかったり重々しく感じてしまった気がします。同時に最初が非常に良かったためあとのものを期待しすぎた感があって、ちょっと物足りなさを感じてしまったし─。順番が違っていればまたその見方は変わったのかもしれません。いずれにしても、3つ見ておけばどれかは楽しめるような3部作でした。まぁ全部見るのは大変というのであれば適当にどれか1つ選んで見てみても、それを存分に楽しめるような気もします。
キービジュアルを見ると、DREAMS、LOVE、SEXという順番に表記されているから、その通りに見た方がいいのかなぁと強く思っていたんですが、上映館も少ないしタイミング良く流れていないことが多かったので、順番を決めて見ようとすると無理だなこれと思って、素直に自分時間で見たら、順番は関係なかったなぁという─。でも、仰るとおり、順番によってそれぞれの捉え方はかなり違ったものになるのかなと─。とはいえ、ベストな順番とかどの順でどう見えるとか決して言うことはできないので、まさにその出会いを素直に楽しむべきなのでしょうねぇー
順番は割と大事というか、その監督の世界にどういう風に入門し面白さに馴れるかとか相性と関わるように思いました。
SEX→LOVE→DREAMSの順番で見た私は、この監督の映画と作風がとても好きになりました

