「嫌いではない作品だが」宝島 Pocarisさんの映画レビュー(感想・評価)
嫌いではない作品だが
嫌いではないが、「もったいない」というのが正直なところ。
原作の魅力が脚本や演出でだいぶ削がれてしまった。
まず、オンちゃんの魅力がいまいち伝わらない。
彼の行方への興味が物語の推進力になっていないと感じる。それがそんなに大事な話?と思わずにいられなかった。
沖縄の戦後史も十分に描けていたとは思えない。
これで沖縄のいろんな方向に引き裂かれた人々の苦難がわかりますかね?
せめて、初めの方で妻夫木聡と窪田正孝が演じる二人の政治的な考え方の違いを描き分けて、それを軸に物語を進めればだいぶわかりやすくなったのでは……。
これでは「いかに複雑か」ということすらあまり伝わってないと思う。
基地に賛成か反対か、アメリカ支配を容認するかしないかといった単純な問題軸で捉えている人に、そう単純でないが、問題に有効な対策をしないでいるうちに沖縄の人の犠牲だけが増えていくという現実を見せることができれば、この映画をつくった十分意味があったと思う。
しかしそうなってもいない。コザ暴動のシーンも、お金はかかってるんだろうに、積りに積もった怒りの爆発に見えないなんてね。
政治問題は通り一遍に描かれて終わっている。これは誠実さを欠く態度なのでは?
せっかくの題材が本当にもったいないと思う。別の制作体制だったら違ったのではと思わされてしまう。
原作を読んでから観ました。
編集や削除は覚悟していましたが、やっぱりそれを見せられるとモヤモヤ。
コザ暴動で沖縄島民の爆発「たっくるせ」の大合唱がないのであちこちで暴徒が暴れているだけのようだし、終盤グスクと対峙したレイが首相にすると出した名前には心の中でコケました。
的確なご指摘にとても感謝です☺︎
前時代的な古めな暴力的な演出が多かった思います。
それにスピリチュアルなシーンやレイの唄、踊りも大切な場面となりますが(他に多数あります)…とても残念な編集結果でした。
デモ、暴動の熱さの片鱗を少し感じれて良かったです♪
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