「あっというまにエンドロールへ」入国審査 ジョーさんの映画レビュー(感想・評価)
あっというまにエンドロールへ
移民に厳しいアメリカの入国審査の現実。
ロサンゼルスで暴動が起こるのも無理もない。
尋問される男女は、夫婦でないというだけで、心の衣を身ぐるみはがされる。
男女はスペインからの移民で入国審査を受けている。
男性は、政情不安のベネズエラから女性が住むスペインへ渡った移民。
ヒスパニックに厳しいのか、入国審査官の矢継ぎ早の質問が、あまりにも過酷だ。
まるで収容所内で毒ガスを吹きつけているよう。
女性が知らされていなかった、男性の過去の婚約の話が浮き彫りにされたとき、微妙な空気が取調室を覆う。
尋問が加速すればするほど、ニューヨークへの希望が、嘘と真実が交錯する現実に変容していく。
手に汗握る攻防で、あっというまにエンドロールへ。
1時間ちょっとの映像が、ちっとも短いと感じさせないノンストップサスペンス。
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