僕の月はきたない

劇場公開日:2024年6月15日

僕の月はきたない

解説・あらすじ

俳優・古谷蓮がコロナ禍に30日間の禁欲生活を送る姿を追ったフェイクドキュメンタリー映画「30days」の後日談を描いたドラマ。

憧れの人に告白するため30日間の禁欲を決行した俳優の古谷蓮は、何も変わることができなかったことを反省し、寺で修行しようと決意する。性欲に悩む夫婦や性を超越する住職との出会いを重ねながら自己鍛錬に励む古谷のもとに、思わぬ悲報が届く。禁欲と自己鍛錬の目的を見失う古谷だったが、映画「30days」の大ファンだという海野琴絵と運命的な出会いを果たす。

前作に続いて古谷が本人役で主演を務め、古谷のファンを名乗る女性・琴絵役で「グッドバイ、バッドマガジンズ」の架乃ゆらが共演。「君といると、僕はかなしい」の工藤渉が監督を務め、「生きててよかった」の鈴木太一が脚本、「愛の病」「Sexual Drive」の監督・吉田浩太がプロデュースを手がけた。

2023年製作/86分/G/日本
配給:シャイカー
劇場公開日:2024年6月15日

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映画レビュー

5.0 新しい物語の発見

2026年3月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

エッセイ:僕の月はきたない

『僕の月はきたない』という作品は、一見すると挑発的で、ある種“観る側を試す”ような構造を持っている。
だが、その本質は単なるタブーへの接近ではない。
むしろ、この作品が切り開こうとしているのは、「人は変わることができるのか」という極めて普遍的な問いの、そのさらに奥にある領域だ。

本作は、フェイクドキュメンタリー『30days』の後日談という形式を取っている。
この事前設定が巧みに効いており、観客はすでに「作られた現実」と「現実のように見える虚構」の境界に立たされる。
そこから物語は、「新しい物語は存在するのか」という問いへと接続していく。

この問いは単なる創作論ではない。
むしろ、人間が“まだ見ぬもの”をどのように信じ、あるいは否定してきたのかという、思考そのものへの挑戦である。
そして本作は、その突破口を「タブー」に見出す。

禁忌とは、本来“触れてはならないもの”として社会が規定してきた領域だ。
しかし逆に言えば、そこにはまだ十分に語られてこなかった“空白”がある。
その空白こそが、新しい物語の源泉なのではないか。

本作は、その仮説を実践によって証明してみせる。
それは、どこかで「ヒッグス粒子」の発見にも似ている。
存在が予測されながらも長く確認されなかったものを、ついに可視化してしまう行為。
『僕の月はきたない』が行ったのは、まさにそれに近い。

タイトルに含まれる「月」は、周期、隠されたもの、そして性の象徴でもあるだろう。
「きたない」という言葉もまた、単なる“汚れ”ではなく、社会によって意味付けられた感覚の表現だ。
ここで問われているのは、行為そのものの是非ではなく、それを「きたない」と感じてしまう私たちの認識である。

物語の中心に据えられるのは、極めて個人的でありながら、同時に普遍的な欲求だ。
誰もが持ちながら、公には語られにくいその衝動を、本作はあえて正面から扱う。
そして驚くべきことに、それを「生の実感」として提示する。

主人公・古谷が発した「感動しました」という言葉は、その象徴的な瞬間だろう。
通常であれば直視できないはずの行為の中に、彼は「生きたい」という衝動を見出した。
そこには嘘がない。ただ、あるがままの人間がある。
しかし社会は、その衝動を長い時間をかけて「禁忌」として封じ込めてきた。
教育や道徳、あるいは宗教的な規範によって、欲望は抑圧され、恥として内面化される。

この構造は、決して無害ではない。
抑圧は時に、身体的・精神的な不全として現れる。
本作におけるインポテンツの描写は、その象徴だろう。
欲望を否定し続けた結果、人は“生きる力”そのものを失ってしまう。

ここで浮かび上がるのは、「何かを断つことで何かを得る」という、私たちが無意識に信じてきた三段論法である。
禁欲、苦行、達成。この構造は一見美しく見えるが、同時に「人生の罠」でもある。
なぜなら、その前提には「本来の自分を否定すること」が含まれているからだ。

本作は、その前提を静かに、しかし確実に覆していく。
欲望を否定するのではなく、それを“生の証”として受け入れる。
その瞬間、人間は初めて自分自身と矛盾しない形で存在できるのかもしれない。

かつて「性の乱れ」という言葉があった。
それは秩序を守るための概念であると同時に、人間の自然な衝動を抑え込むための装置でもあった。
その結果として生まれたのは、健全な社会だったのか、それとも歪んだ個人だったのか。
本作は、その問いを観客に突きつける。

そして最後に残るのは、ひとつの感覚だ。
もしかすると、私たちが「志」や「理想」として掲げてきたものの多くは、本来の自分を見ないための“虚構”だったのではないか、という疑念である。
もしそうだとすれば、「性の喜び」は単なる快楽ではなく、「生の喜び」そのものだったのではないか。

人間が長いあいだ蓋をしてきたもの。
その奥にあったもの。それを直視したとき、初めて見えてくるものがある。
『僕の月はきたない』は、その扉をこじ開けた作品だ。
そしてそれは間違いなく、「新しい物語」と呼ぶに値する。

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R41

3.0 手のひらを太陽に

2025年3月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

意外にヘビーなテーマなんだが、アホみたいな設定(←褒めてます)のお陰で過度に深刻ぶらずにすんでいる。
誰でも束縛から自己を解き放ちたい訳だから、観る人がそれぞれの束縛と解放を当てはめて楽しもう。
蛇足だけど、住職が言う「役不足」は意味が違うと思う。

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ひろちゃんのカレシ

2.0 予告からは判別できず…

2024年6月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

内容はくだらないし、まさかのくだらなムービーの後日談とか予告からは判別できなかったし、琴絵さんのソレが嘘くさくてたまらないし、上映後のトークセッションがこれまた『内輪感』強過ぎて……😅

予告時点で既存の作品の後日談だと知ってたら前日譚を観てから臨んだか(はあまた観るのをやめたか)。
なんでだろ。全体的に『これじゃ無い』感しか残らず、勝手に騙された気分になってる。楽しみ方がわからない映画だった……

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らまんば

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