ハルク書き下ろし記事

ハルクはもともとスパイダーマンやX-MENと同じマーベルという出版社の人気キャラで、代表的なアメコミ・ヒーローの一人です。昨年初頭、マーベルの方と話す機会があって「今度のハルク映画は、みんなが観たかったヒーロー・ハルクにするよ」と言っていました。そして「インクレディブル・ハルク」は、その言葉どうりの素晴らしいエンタテインメントになりました。
それはどういうことなのか?まず『今度のハルク」の意味は、実はハルクは6年前に「ラスト、コーション」の巨匠アン・リー監督によって一度映画化されました。見応えある作品でしたが、かなり暗い内容。そこで、もう一度、原作のイメージに近づけようと、早くも再映画化されたのが本作品なのです。つまり原作では変身してしまう主人公の苦悩がテーマですが、ハルクが大暴れのダイナミズムも魅力なわけで、そういうアクションの楽しさもキチンと描きましょうと。それがまさに「みんなが観たかった」こと。
そしてハルクを、みんなが“ひいて”しまう怪物ではなく、応援したくなるような「ヒーロー・ハルク」にすべく、邪悪な敵キャラ<アボミネーション>を登場させました。やはりヒーローものは、強いライバルが出てくると盛り上がりますから。またエドワード・ノートン等の演技派の役者さんをそろえドラマ部分も充実させました。実はハルクは70年代に「超人ハルク」の名でTVドラマ化。主人公の逃亡生活を描くスタイルで、ペーソスがあり、このドラマの存在が後のハルク人気に貢献したと思います。
今回の映画でもオープニングがTV版そっくりだったり、テーマ曲が劇中流れたり、TV版ハルク役者がゲスト出演する等、ドラマ版へのオマージュに満ちています。こうした製作陣の工夫と想いが実り、本作はアメコミ映画の中でも傑作のひとつとなりました。更に今回のハルクは、これからのアメコミ映画を楽しくするような仕掛けがちりばめられていたのです!

新たに生まれ変わった「ハルク」

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 アメコミにはクロスオーバーという手法があります。これは例えばスパイダーマンやX-MENが誌上で共演したりするもので、アメコミは原則、作者ではなく出版社がキャラクターの権利をもつのでこういうことができるのです。
そして、今度のハルク映画には、他のマーベル・コミックのヒーローの存在を匂わせる仕掛けがいっぱいです。

  まず今度のハルクでは、第二次世界大戦に試みられた人体実験=スーパーソルジャー計画について語られますが、これはマーベルの人気ヒーロー<キャプテン・アメリカ>の誕生のきっかけとなる設定。



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 また物語の中盤でハルクが、雷にむかって吼えるのは、同じくマーベルの雷神ヒーロー<マイティ・ソー>を意識してのポーズと言われています。さらに主人公バナーが行き着く先は、カナダのブリティッシュコロンビアですが、ここはX-MENのウルヴァリンの生まれ故郷と言われている場所です。ちなみにウルヴァリンはもともとハルクのコミックでデビューしたキャラでした。さらに映画「アイアンマン」にも登場する兵器会社スターク・インダストリーズや諜報機関シールドの兵器がハルクをおいつめたり、極めつけは映画の最後に「アイアンマン」の主人公トニーが登場するのです!


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 ここにあげたヒーローたちは、いずれも近々映画化 すでに映画化されているものもシリーズ化されるので、今回の「インクレディブル・ハルク」は、これからのアメコミ・ヒーロー映画のワクワクするような伏線に満ちていると言っても過言ではないのです。(なお今回のDVD&ブルーレイには、劇場版とは違うオープニングも映像特典として収録されているそうですが、そこにキャプテン・アメリカがチラっと=ほんとうにチラっと写っているとの噂もあり、是非探してみてください)なおハルクについても、続編が検討されているようで、次の敵役候補は既に今回の作品に登場していますから、それもまた要チェック!です。


みんなが観たかったヒーロー映画としてのハルク BY 杉山すぴ豊


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人物データ エドワード・ノートン

父親は連邦主席検察官、母親が、元高校教師、祖父が建築家という名家に育つ。高校から演劇を始め、イェール大学を卒業後ニューヨークに移り、演劇活動を本格的に開始。映画デビューは96年リチャード・ギア主演の「真実の行方」で、いきなりアカデミー賞助演男優賞のノミネートを受ける。その後は「ラリー・フリント」(ミロス・フォアマン監督)、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた「アメリカン・ヒストリーX」、「ファイト・クラブ」、「25時」などに主演する。また、01年「僕たちのアナ・バナナ」で監督業にも進出した。

作品情報

監督: ルイ・レテリエ
脚本: ザック・ペン
製作総指揮: スタン・リー、デビッド・メイゼル、ジム・バン・ウィック、リチャード・サパースタイン
製作: アビ・アラド…

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ユーザーレビュー

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