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監督がキャリアをかけて撮った障がい者テーマのコメディ「サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行」

2025年11月14日 10:00

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アルテュス監督
アルテュス監督
(C)2024 David Koskas

フランスで2024年年間興行収入ランキング1位となったヒット作「サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行」で監督、脚本、原案、主演の4役を務めるアルテュスが、本作に懸ける思いを明かした。

本作は、宝石泥棒の親子が、障がい者施設のサマーキャンプに逃げ込んだことから巻き起こる騒動を描き、フランスで大ヒットを記録したハートフルコメディ。サマーキャンプに参加する仲間たちには、実際に障がいを持つ11人のアマチュア俳優を起用した。

パウロは父親とともに宝石店に泥棒に入るが、乗ってきた車がレッカー移動され逃げる手段を失ってしまう。路上で立ち往生していた彼らは、サマーキャンプに出発しようとしていた障がい者施設の職員から新たな入所者と勘違いされたことをきっかけに、障がい者とその支援員に成りすましてサマーキャンプに紛れ込む。個性豊かな入所者たちとの賑やかな日々は、親子の心をやさしく解きほぐしていく。

画像2(C)2024 CINE NOMINE - M6 FILMS - AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINEMA - SAME PLAYER - KABO FILMS - ECHO STUDIO - BNP PARIBAS PICTURES - IMPACT FILM

アルテュスは、「私はずっと、知的障がいのある人たちがどんなことができるのかを描きたいと思っていました。障がいのある俳優たちを何人も集めて映画を、しかも初監督作を作ることはかなりリスキーだと周りのみんなからも言われましたし、自分でも分かっていましたが、もし映画を1本しか作れないとしたら、私は絶対にこの作品を作りたかったのです」と本作に懸ける熱い思い口にする

本作の原案となったのは、フランスでコメディアン・俳優・作家としても活躍する自身の人気のネタのひとつである、障がい者のあるあるを描いた「“大きなお調子者”シルヴァン」という知的障がいのあるキャラクター。そのアイディアの出どころについてアルテュスは、幼い頃から知的障がいのある人たちの持つファンタジーや、独特の視点にとてもひかれていたと語る。

画像3(C)2024 CINE NOMINE - M6 FILMS - AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINEMA - SAME PLAYER - KABO FILMS - ECHO STUDIO - BNP PARIBAS PICTURES - IMPACT FILM

「僕が11歳か12歳のころ、ヴィクトルという同級生がいました。彼は自閉症で、電車が大好きで、僕をよく笑わせてくれたんです。ヴィクトルを自分の誕生会に招待したとき、彼のお母さんから電話がかかってきて『どうしてヴィクトルを招待したいの?』と聞かれました。僕が『好きだからです』と答えると彼女は『本当に? からかうためじゃないの?』と聞いてきたのでびっくりしたんです。彼女がとても感動していた様子でいたので、その時僕は初めて障がいが人によっては問題とみなされることがあるのだと知りました。そんなこと考えたこともなかったんです」と振り返る。

「“大きなお調子者”シルヴァン」というキャラクターについては、「正直、『観客は受け入れてくれないだろうし、ネットに出たらキャリアが終わる』とも思った」と述懐。それでも、本当にやりたい笑いを追求したいという思いから、パラスポーツをテーマにしたコントとして披露たところ、「批判が飛んでくることはまったくなく、それどころかフランス・ハンディスポーツ連盟がその動画を公式Facebookでシェアしてくれ、当事者やその家族から『こういう笑いって、僕らの間でもよくやるんだよ!』と多くのメッセージが届いたんです」と、自身のお笑いが認められた時の喜びを語っている。

現在アルテュスは、パラリンピックや、フランス・リヨンに本部をおき、途上国や紛争、災害の起きた地域で障がい者や苦しい状況に置かれた人々の生活を支援する取り組みを行う国際NGO団体ハンディキャップ・インターナショナル(現ヒューマニティー・アンド・インクルージョン)のアンバサダーを務めている。本作の大ヒット後には、障がい者向けの休暇施設を提供するための財団を設立するなど、引き続き障がいのある人々の暮らしに寄り添う活動を積極的に続けている。

さらに、「本作を制作する過程では本当に多くの拒否に直面しました。『彼らが存在しているのは知っているが、わざわざ見せる必要はないだろう』なんて、信じられないような言葉も言われました」と明かし、「本当に情けない話ですが、それは、いまでもなお障がいに対して多くの人が抱く恐れや拒絶を物語っています。だからこそ、こういうテーマに取り組む必要があるんです」と、障がいを恐れずに描くことの必要性を語っている。

サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行」は、12月26日から全国公開。


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