STORY
-
4月15日、その事件は起こったー。
ボストンに暮らす27歳のジェフ・ボーマン(ジェイク・ギレンホール)は、今日も職場でローストチキンを焦がしてしまい、その理由を鳴らなかったタイマーのせいにして上司から怒られていた。後片付けを同僚に無理矢理押し付け、2連敗中のレッドソックスを応援するために仕事帰りにやってきたのは、仲間が集ういつものバー。そこへ偶然、何度も別れてはヨリを戻している元カノのエリン(タチアナ・マスラニー)がやってくる。ボストンマラソンにチャリティランナーとして出場するため、寄付金を募りに来たのだ。未練たっぷりのジェフは、いいところを見せようと寄付金集めを助けることに。そして翌日、手作りのポスターを作って応援に行くことを約束する。ジェフの熱意とは裏腹に、話半分に聞き流すエリン。約束をしても必ず遅れる彼のいい加減さを、痛いほど知っているのだ。
2013年4月15日、ボストンマラソン当日。ゴール地点にギリギリでやってきたジェフは、ごった返す人混みの中でエリンの到着を待っていた。すると真横で突然、2度の爆発が発生。意識が戻ったときにはすでに病院のベッドの上で、両脚を切断されたことを告げられる。あまりに衝撃的な事実を受け入れられずにいたジェフを、片時も離れずに支えたのはエリン。めずらしく約束を守って応援に来てくれたこと、そのせいで事件に巻き込まれてしまったことに深く胸を痛め、自責の念を抱いていた。 -
ボストン ストロング=新しいヒーローの誕生
テロリストの姿を見たと証言したことで、FBIによる犯人特定に貢献したジェフ。爆発直後、車椅子で運ばれる彼の姿を写したセンセーショナルな写真も広く報道されたことで、たちまちテロリストに屈しない“ボストン ストロング”というスローガンを象徴する、希望と決意のヒーローとして注目を集めていく。退院の日、病院の玄関には多くのマスコミが集まり、帰り道にもジェフを讃える横断幕が掲げられるなど、彼を取り巻く状況は一変。自宅にも世界中からプレゼントや手紙が届けられ、母パティ(ミランダ・リチャードソン)は「息子はヒーローよ」と誇らしげにインタビューに答えていた。
-
耐えられない傷、受け入れられない現実
周囲の喧騒をよそに、ヒーローとして担ぎあげられることに違和感を覚えるジェフ。なぜなら彼は何かを勇敢に成し遂げたわけではなく、一夜にして足を失うという悲劇に見舞われただけの無力な人間だから。シャワーを浴びることはもちろん、トイレで用を足すことさえろくにできない自分に苛立ち、ヒーローとのギャップに苦悩する日々。そんなジェフに寄り添ったのは、やはりエリン。お互いの傷を優しく包み込むように、再び心を通わせていく。「よかったら越してくる?」そう提案してくれたジェフを心身共に支えるため、エリンは仕事をやめた。一緒に住むことをパティに伝えていなかったことにちょっぴり苛立ちながらも、3人の共同生活が始まった。しかし、相変わらずマスコミの取材を受けたりイベントに参加させようとするパティと、ジェフを利用することを反対するエリンとの溝は深まるばかり。さらに過酷なリハビリに耐えきれず、いつしかジェフもお酒に溺れるようになっていった。誰もがギリギリの精神状態の中、エリンとジェフを決定的に切り裂くある出来事が発生。ついにエリンは家を出て行ってしまう。
-
本当の強さ、勇気の正体とは?
自分の無力さと不甲斐なさに絶望する中、ジェフは凄惨なテロ現場で救い出してくれた命の恩人カルロスに再会。「深く感謝している」とお礼を言われたことに驚き、その言葉の裏にある意外な事実に激しく心を揺さぶられる。その瞬間、誰もが同じように傷や悲しみを抱えていること。そしてその痛みを共有することこそが、自分にできる唯一の役割だと気付いたジェフ。真っ暗な闇の中から本当の意味での強さや勇気、そして生きる希望という光を見出し、再び自分の足で歩く決意を固めていくーーーー。
【有名レビューサイト満足度 高水準で推移!】世界NO.1映画批評サイト「RottenTomatoes」96% FRESH!