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北川景子×森田望智“腐った世界”に咲くシスターフッド【「ナイトフラワー」で初共演】

2025年11月14日 12:00

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北川景子と森田望智
北川景子と森田望智

ミッドナイトスワン」で第44回日本アカデミー賞の最優秀作品賞に輝いた内田英治監督が原案・脚本も兼ねた「ナイトフラワー」が、11月28日に全国公開される。昼はパート、夜はスナックで働くギリギリの生活の中で、子どもの夢を叶えるためにドラッグの売人になると決意する主人公・永島夏希の姿を描いたヒューマンサスペンスだ。

画像2©2025「ナイトフラワー」製作委員会

主演は、全世代から圧倒的な支持を集める、国民的俳優の北川景子。そして、夏希と危うい絆を深めていく重要な役どころを、Netflixシリーズ「全裸監督」で黒木香役を務め、脚光を浴びた森田望智が演じている。難役に挑み、新境地を切り拓いた2人に話を聞いた。(取材・文/内田涼 写真/間庭裕基


●脚本の第一印象は? 「電流が走りました」(北川)、「頭から離れなかった」(森田)

借金取りに追われ、2人の子どもを連れて東京へ逃げてきた夏希は、ある日、夜の街でドラッグの密売現場に遭遇し、自らも売人になることを決意する。ブルーのインナーカラーの髪に、ほぼノーメイクの北川が、顔を崩して大きく笑い、関西弁でまくしたてたかと思えば泣きじゃくる姿は、新鮮であり鮮烈。そこに映し出されるのは、子どもの未来を守ろうと決意し、たくましく前向きに生きる母親像だ。

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北川は、内田監督によるオリジナル脚本を読み「夏希はどうするべきだったのか? 答えのない問いを投げかけられた気がして、電流が走りました」と振り返る。

そして、「夏希は、最悪な偶然が積み重なった母親ですが、私かもしれないし、身近な誰かかもしれない。他人事とは思えなかったですし、現実の厳しさを目の当たりにし、言葉を失ってしまうことも……。それでも、母親としての強い愛情には、共感できました」と主人公への思いを語った。

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ドラッグの密売に手を染める夏希に、“ボディガード”として救いの手を差し伸べるのが、森田演じる芳井多摩恵。壮絶な生い立ちを抱え、夜は風俗嬢として働きながら、格闘家としての成功を夢見るキャラクターだ。森田は約半年間に渡る過酷なトレーニングに挑み、体重を7キロ増量。プロも絶賛する迫力の格闘シーンを見事に演じ上げている。

「自分とはかけ離れた役柄なので、本当に務まるのか、どこまで演じきれるのか、覚悟が問われている気がしました」と振り返る森田は、「それでも、不向きで困難だと分かっているからこそ、自分の足で新しい領域に一歩踏み出し、鮮やかな世界、まだ見ぬ自分を見てみたかったんです。何より台本に心臓をグワッと掴まれ、多摩恵のことが頭から離れませんでした」と、文字通り“戦い”に挑んだ心境を語ってくれた。

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●難役に挑み、新境地に立つ決意。後押ししたのは、内田英治監督への全幅の信頼

北川と森田は、それぞれ連続ドラマW「落日」、Netflixシリーズ「全裸監督」などで内田監督とタッグを組んでおり、全幅の信頼を寄せている。イメージを脱却し、新境地に立つ決意を後押ししたのが、内田監督の存在であることは言うまでもない。

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北川「初めて『落日』でご一緒したとき、『北川さん、いま僕と話しているみたいに、セリフはもっと普通にしゃべってみて』って言われたことがあって。殊更“演技すること”を意識するのではなく、その人物がその場にいて、画面に息づくことが大切なんだって。本当に目からウロコで、自分の中の新しい扉が開いた感覚があったんです」

森田「『全裸監督』のときは、私自身、お芝居のことがよく分かっていない状態でした。内田監督もそれを見抜いていて、『君は演技力では、周りの俳優さんにかなわないから、本物の気持ちで演じてくれ』と。おかげで、自分自身が予想のできない感情に出会うことができ、役柄の到達点に導いてくださったという感覚が残っているんです」

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ちなみに、北川が「ナイトフラワー」の出演オファーを受けたのは「落日」がクランクアップする以前のタイミングだったといい、「撮影が後半に差し掛かったとき、『売人の役って興味ありますか?』って。台本を読む前から『はい、やりたいです』とお返事した」と振り返る。森田も「内田さんからオファーを頂く以前に『そういえば、運動神経いいの?』って連絡をいただいて、『良くはないですけど、ぜひ演じたいです』と(笑)。私がリングに立つなんて、想像もつかなかったですが、内田さんの頭にはイメージがあったのかもしれません」と、出演に至る経緯を明かしてくれた。

●北川「森田さんからは本当に刺激を受けました」ドラマの演技にも影響?
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子どものために、ドラッグの売人になると決意する夏希と、彼女のボディガードを買って出る多摩恵。交わるはずのなかった彼女たちの出会いが、シスターフッドのドラマを生み出し、物語を一気にスリリングな展開へと導いていく。今回、初共演となる北川と森田は、内田監督の意向で、撮影初日まで会わずにクランクインを迎え、まったくの初対面から撮影がスタートしたそうだ。

つまり、北川の目の前に現れたのは、過酷なトレーニングを経て肉体改造を終えたばかりの森田の姿だった。そのストイックさに、北川は「この作品のために、ここまでやってくださったのかと本当に驚きました。森田さんが出演した作品はたくさん見ていましたが、『えっ、私が知っている森田さんじゃない』って」と、感嘆の声をあげる。

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北川「それ以上に驚いたのは、ギャップですよね。お会いして、お話させていただくと、本当におっとりして……。私も言い訳なんてせずに、努力しなければって。森田さんからは本当に刺激を受けました。そのおかげで、この後に撮った連続ドラマ(「あなたを奪ったその日から」)は、エネルギーを出し切ったんです。連ドラは長期間なので、ペース配分しながら、心身ともにエネルギーを温存してしまうこともあるんですが」

森田「そんなこと言って頂けるなんて。私ドラマ見ていました!本当に素敵でした」

北川「出し切ったの!」

森田「一緒に号泣してしまいました!」

インタビュー中に交わされた、ささやかな言葉のやりとりからも、北川&森田の確かな絆、まさにシスターフッドが垣間見える。

●森田が見習いたい、北川の“天才的な瞬発力”とは?「涙を……」
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改めて、森田は役作りについて「普段は心から作るんですけど、今回は体から入りました。過酷な半年間のトレーニングでしたが、そこに救われる部分もあって。最初は多摩恵が戦う気持ちも分からなかったんです。最終的には格闘技を通して、生きている感覚を味わっていることに気づくことができました」と振り返る。

森田「それに北川さんとご一緒して、衝撃を受けたのが、涙を出したり、止めたり、自由自在にコントロールされていたことです。内田監督も『あぁ、北川さんはできるから』と受け止められていて、本当に天才的な瞬発力だなと感じました。それに私は、いつも自分を断ち切って演技することが多いんですけど、北川さんはご自分が持っているものを生かして、とても自然に演じていらっしゃって、私も見習いたいなと思いました」

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北川「そんな風に見てくれていたの?」

森田「はい、それにいつも私に対して『食べてる? ちゃんと眠れている?』と、本当のお姉さんのようにケアしてくださって。北川さんが一番大変な役なのに……、常に周りを見て、気配りをしてくださっていました」

北川「夏希が強い気持ちでいられたのは、そばに多摩恵がいてくれたから。私も森田さんとご一緒でなければ、夏希を演じ切ることはできなかったと思います」

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この“腐った世界”を生き抜くために、支え合いながら運命をともにする母親と女性格闘家。社会の片隅で出会ったふたりが、危険な世界に踏み出す。その先に待つのは、罪か、愛か? その境界線を問いながら、モラルや正論を飛び越える2輪の“ナイトフラワー”が咲く姿を、ぜひスクリーンで見届けたい。

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