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『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』に続く人生をちょっとだけ素敵にしてくれる映画『ロンドン、人生はじめます』がイギリスからやってきた。『恋愛適齢期』『アニー・ホール』のダイアン・キートンがまたまたチャーミングなヒロインを演じる。相手役には『ハリー・ポッター』シリーズなど数々のハリウッド大作に出演する名優ブレンダン・グリーソン。監督は英国アカデミー賞受賞監督で『新しい人生のはじめかた』のジョエル・ホプキンス。人生をやり直すのには年齢は関係ないのだと教えてくれる実話から生まれた明日が待ち遠しくなる物語だ。
ロンドンのハムステッドの高級マンションで暮らす未亡人のエミリーは、夫亡きあと発覚した浮気や借金のこと、減っていく貯金のこと、上辺ばかりのご近所づきあい、海外勤務に行ってしまう一人息子のことなど様々な問題に直面している。ある日、自然に囲まれ手作りの小屋で暮らすドナルドと出会う。庭でのディナー、気ままな読書、森でのピクニック…余計なモノを持たず幸福に暮らす頑固だけど温かいドナルドに惹かれていくエミリー。だが、ある事件がドナルドに降りかかる・・・。
ハムステッドは、ロンドン中心部にある地区で、広大な公園ハムステッド・ヒースとお洒落なショップなどが並ぶハムステッド・ハイ・ストリートを中心にした緑の多い高級住宅地として知られている。手つかずの原生林が残る風光明媚なロンドン最大の公園ハムステッド・ヒースの自然美に魅了され、古くから作家や詩人が暮らした場所としても有名で、今でも著名な俳優やミュージシャンが多数住んでいる。さらに、数々の小説や詩、絵画のモチーフになっているうえ、映画『ノッティングヒルの恋人』(99)のロケ地の一つとしても有名だ。そんなハムステッド・ヒースで暮らしていたホームレスの男性が周囲に助けられその場所の所有権を手にし、一夜にして資産家になった実話を基に映画化。思いがけない出会いによって自分らしさを発見していく主人公を通して、これからの暮らしのヒントが軽やかにユーモアたっぷりに描かれた感動作だ。
ロンドン郊外の美しいヒースが広がるハムステッドの住宅街。高級マンションで暮らすアメリカ人の未亡人エミリー(ダイアン・キートン)は、悠々自適の一人暮らしとはいかず、夫亡きあと発覚した浮気や借金のこと、減っていく貯金のこと、老朽化したマンションの修繕費用のこと、上辺ばかりのご近所づきあいなどお金や生活の様々な問題に直面していた。

屋根裏部屋からヒースを眺めていたある日、髭もじゃの男が暴漢に襲われるのを目撃するエミリー。翌日、森の中を訪れた彼女は、手作りの小屋で17年間暮らしているというドナルド(ブレンダン・グリーソン)と出会う。

ドナルドの家が不動産の開発業者の標的となり、不法占拠していた彼は立ち退きを迫られているだけでなく嫌がらせを受けていた。そんな事情もあり警戒し拒絶するドナルドにエミリーも始めこそ拒否感を抱く。だが、庭でのディナー、気ままな読書、森でのピクニック…と余計なモノを持たず手作りの暮らしで満足する彼の温かい人柄に触れエミリーは惹かれていく。
1946年生まれ、アメリカ合衆国のロサンゼルス出身。『ふたりの誓い』(70)で映画デビュー以来、女優、監督、プロデューサーとして活躍している。『ゴッドファーザー』三部作(72、74、90)、アカデミー賞主演女優賞を受賞した『アニー・ホール』(77)、『花嫁のパパ』(91)、『映画と恋とウディ・アレン』(12)、『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』(14)など多数の話題作に出演している。『レッズ』(81)、『マイ・ルーム』(97)、ゴールデングローブ賞主演女優賞とナショナル・ボード・オブ・レビュー賞女優賞を受賞した『恋愛適齢期』(03)でもアカデミー賞主演女優賞にノミネートされており、10年に一度アカデミー賞にノミネートという歴史的な偉業を達成した唯一の女優である。 監督デビュー作『ダイアン・キートンのウェルカム・トゥ・ヘヴン』(87/未)に始まり、大絶賛された『想い出の微笑』(95/未)に至るまでなど監督としての評価も高い。また、プロデューサーとしてはカンヌ国際映画祭でパルム・ドールと監督賞をダブル受賞したガス・ヴァン・サント監督の『エレファント』(03)で製作を務めている。コメディからドラマまで見事にこなし、すべての作品に全力投球して観客を楽しませ魅了し続けている。
1955年生まれ、アイルランドのダブリン出身。イギリス映画界が世界に誇る実力派俳優。『ザ・フィールド』(90/未)で映画デビューをする前は小学校で教師をしていた。『ブレイブハート』(95)でハリウッドに注目され、『M:I-2(ミッション:インポッシブル2)』(00)、『A.I.』(01)、『ギャング・オブ・ニューヨーク』(01)、『トロイ』(04)、『ヴィレッジ』(04)、『キングダム・オブ・ヘブン』(05)、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(05)、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(07)、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』(10)など大作に多数出演。その他の主な出演作は、ゴールデングローブ賞主演男優賞と英国アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた『ヒットマンズ・レクイエム』(08/未)、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(14)、『白鯨との闘い』(15)、『ソング・オブ・ザ・シー海のうた』(14/声の出演)、英国インディペンデント映画賞助演男優賞を受賞した『未来を花束にして』(15)、『アサシンクリード』(16)、『夜に生きる』(16)、『ヒトラーへの285枚の葉書』(16)、『パディントン2』(17)などがある。息子のドーナル・グリーソンは、2010年より『ハリー・ポッター』シリーズに出演、さらに『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(15)、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(17)に出演するなど父と同じくハリウッドからも愛され活躍している。
1956年生まれ、イギリスのサセックス州出身。マイク・リー監督作品の最多出演俳優であり、『秘密と嘘』(96)、ロンドン映画批評家協会賞女優賞(イギリス国内)を受賞した『人生は、時々晴れ』(03)、『ヴェラ・ドレイク』(05)、『ターナー、光に愛を求めて』(15)などに出演しており、とりわけ『家族の庭』(11)では、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞女優賞受賞、ロンドン映画批評家協会賞女優賞(イギリス国内)受賞、ヨーロッパ映画賞女優賞ノミネート、英国アカデミー賞助演女優賞ノミネート、サンディエゴ映画批評家協会助演女優賞受賞、英国インディペンデント映画賞助演女優賞ノミネート、サンタバーバラ国際映画祭ヴァーチュオソス賞受賞という快挙を成し遂げた。その他の主な出演作は、『Disney'sクリスマス・キャロル』(09)、『はじまりは5つ星ホテルから』(14)、『マレフィセント』(14)、『ファントム・スレッド』(18)などがある。
1985年生まれ、イギリスのロンドン出身。トルストイの『戦争と平和』をドラマ化したBBCのミニシリーズなどに出演して人気を博している。主な映画出演作は、『17歳の肖像』(09)、『ベル~ある伯爵令嬢の恋~』(13/未)、『ラッシュ/プライドと友情』(13)、『ターナー、光に愛を求めて』(14)、『フラットライナーズ』(17)などがある。
1966年生まれ、イギリスのシュロップシャー出身。舞台、映画、テレビで活躍。主な映画出演作は、『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』(97)、『オネーギンの恋文』(99)、『ブリジット・ジョーンズの日記きれそうなわたしの12か月』(04)、『コンフェッティ 仰天!結婚コンテスト』(06/未)、『ライラの冒険 黄金の羅針盤』(08)、『ワイルド・ガール』(08/未)、『マーティン・フリーマンのスクール・オブ・ミュージカル』(09/未)などがある。『クリストファー・ジェフリーズの失われた名誉』(14/未)で英国アカデミー賞テレビ部門主演男優賞を含む2部門を受賞するなど、数々の輝かしい受賞歴を誇る。
1970年生まれ、イギリスのロンドン出身。 ニューヨーク大学ティッシュ・スクール・オブ・ジ・アーツで学ぶためアメリカへ渡る。在学中、初めて監督した短編映画『Jorge(原題)』でルー・ワッサーマン賞を受賞。獲得した賞金で、初の長編映画『JumpTomorrow(原題)』を製作、その他の監督作には日本でも好評を博した『新しい人生のはじめかた』(08)がある。2013年のトロント国際映画祭でプレミア上映された『ラブ・パンチ』(13)は、英国アカデミー賞のカール・フォアマン賞(新人賞)をはじめ数々の栄冠を獲得しており、英国インディペンデント映画賞2部門にノミネートされた。
『イン・ザ・ベッドルーム』(01)で監督のトッド・フィールドとともにアカデミー賞脚色賞にノミネート、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞脚色賞を受賞。その他の脚本作は、『チャット~罠に堕ちた美少女~』(10/未)で共同脚本を担当。
お金や近所付き合いに問題ありの未亡人を、ゆったり楽し気に演じているダイアン・キートンを絶賛して、 スクリーンに拍手であります。
ストーリーの流れが見事!
ということは、脚本の出来が秀逸なのであります。
ラストが嬉しい!!
おすぎさん
映画評論家
人生の時間を無駄に過ごしてきたと思うなら、やり直せばいい。
誰かに支配された人生、ウソの人生にはサヨナラ。
明日を怖がらず、好奇心にフタをせず、もっともっと自分を喜ばそう!
って、これは青春映画ですよね。
小林聡美さん
女優
現実を知り尽くしても、お伽話を愛せる大人達への“青い鳥”の様な映画!!
ダイアン、ブレンダンが久々にとっくに大人である事を嬉しくさせてくれた!
ありがとう!
小堺一機さん
ダイアン・キートン71歳。シワもしっかりあります。
タルミだって。なのにキュートでかわいい。もしかすると昔よりかわいいかも。
へえ、いいなあ、こういうのいいなあって、にこにこしてラストシーンまで見てしまいます。
脇役陣もいい味。
姫野カオルコ(姫野嘉兵衛)さん
小説家
日常も“小さな旅”!
人の目ばかり気にするヒロインの、一世一代の大冒険。
勇気を出して、一歩踏み出せば、“偽りのない人生”は、ワクワクに満ちている!
たかのてるこさん
地球の広報・旅人・エッセイスト
ロンドンの高級住宅街ハムステッドの日常をありのまま映し出す冒頭にノックアウトされた。イギリス人の生き方、住まいの選択をリアルに描き出したすごい映画 !全ての英国ファンに見て欲しい。
井形慶子さん
作家、英国生活ミスターパートナー編集長
どこの国のどんな町にも起こりそうな話から生まれた、素敵なお伽噺。
会話も、情景も、すべてが羨ましいくらいお洒落。
大人の女性は必見です。
ついでに日本の男たちも誘ってあげてください。
玉村豊男さん
エッセイスト・画家・ワイナリーオーナー
困惑、喜び、失望。あらゆる感情を抱えながらも自分の正直な思いを支えて生きる中年女性エミリーの愛おしさたるや。この年齢にならなければ叶わない女性の魅力や可愛さが徹底的に描き出されています!
ヤマザキマリさん
漫画家・随筆家
「家」とは、それまでその場所で起きたすべてのことを積み上げたものであるとすれば、この映画が描く家は、2人のこれからの人生。
少しだけアウトローで、美しい花がいっぱい咲く森の小屋に行ってみたい。
ロバート キャンベルさん
国文学研究資料館長
ウディ・アレンもジャック・ニコルソンも側にいなくなった今、ダイアン・キートンの面倒を見られるのは"黙して語らず"のブレンダン・グリーソンなのかも。
この意外なケミストリーに熟年ラブコメの可能性を感じる!
清藤秀人さん
映画ライター
ロンドン郊外の街で出会った、酸いも甘いも噛み分けた大人の男女が体験するのはミラクルな恋と……!?
ノッティングヒルに続いて素敵な奇跡が起こるハムステッドへようこそ!
山縣みどりさん
映画ライター
敬称略/順不同