M・ナイト・シャマランの娘、監督デビュー作「ザ・ウォッチャーズ」は「恐怖と発見の旅に連れて行ってくれる」
2024年5月30日 15:00
M・ナイト・シャマラン監督の娘であるイシャナ・ナイト・シャマランが長編初監督を務めたホラー「ザ・ウォッチャーズ」が、6月21日から公開される。ガラス張りの部屋で、主人公が見知らぬ3人とともに“謎の何か”に毎晩監視される恐怖を描く本作。このほど、イシャナが取材に応じ、父親との関係性や謎の多いストーリーについて語った。
28歳の孤独なアーティストのミナ(ダコタ・ファニング)は、鳥籠に入った鳥を指定の場所へ届けに行く途中で、地図にない不気味な森に迷い込む。スマホやラジオが突然壊れ、車も動かなくなったため助けを求めようと車外に出るが、乗ってきた車が消えてしまう。
森の中にこつ然と現れたガラス張りの部屋に避難したミナは、そこにいた60代のマデリン(オルウェン・フエレ)と20代のキアラ(ジョージナ・キャンベル)、19歳のダニエル(オリバー・フィネガン)と出会う。彼らは毎晩訪れる“何か”に監視されているという。そして彼らには、「監視者に背を向けてはいけない」「決してドアを開けてはいけない」「常に光の中にいろ」という、破ると殺されてしまう3つのルールが課せられていた。
イシャナは現在24歳。幼い頃から芸術としての映画に興味があったそうで、映画監督を志したきっかけについて「大学を目指すようになる時まで、映画という芸術を追求することは考えられませんでした。自分がキャリアとして何をしたいのか、本当の決断を迫られた時、私は映画と映画への愛に立ち返り、これこそが自分のやるべきことだと感じたんです」と振り返る。
父のM・ナイト・シャマランからは多くの影響を受けてきたといい、「誰かに育てられるということは、その人の血筋を通して必然的にその人のモラルも好みも自分に流れてくるものだと思います。子どもの頃、私は幸運なことに、父のクリエイティブな旅を見ることができました。父がさまざまな作品を通して、どのように苦しみと向き合い、どのように困難と向き合っているのかを見てきました。父は素晴らしいメンターのような存在なんです」と尊敬を込める。
本作は、“謎が謎を呼ぶ衝撃の展開”が予告されているが、詳しい内容については「すべては映画の中で明らかになる」としつつ、主人公ミナのキャラクターを聞くと「罪悪感や痛みとどう向き合い、それをどう押し流すかということなんです。彼女のストーリーラインは、彼女の過去に起こったことに重きを置いています」と“ヒント”を明かす。
イシャナにとって本作の製作は、「映画館に行って映画を観る、という自分自身の楽しみそのもののよう」だったと振り返り、「映画館に足を踏み入れ、心配事を忘れて、恐怖と発見の旅に連れて行ってくれるようなものなんです。だから、観客の皆さんにもそうなってほしい、現実逃避できるひと時になればいいなと思います」と願いを込める。
また、イシャナは本作が新藤兼人監督の作品「鬼婆」からインスピレーションを受けていることも明かした。
「『鬼婆』は、この映画に最も強く色々な影響を与えた作品のひとつです。『鬼婆』にある大きな穴と、『ザ・ウォッチャーズ』に登場する大きな穴の間には、視覚的なつながりがあるんです。『鬼婆』の中で、いかに自然がとても恐ろしい言語になっているかということにインスピレーションを受けました。『鬼婆』の中で、背の高い草の中を走る女性のショットがあるんです。彼女が草の中を走るかなり長いショットです。そして、鬼婆の存在を感じたり、聞いたりするんです。『鬼婆』では、自然の存在を究極の神のようなキャラクターとして使うことにも、とてもインスピレーションを受けました」
「ザ・ウォッチャーズ」は6月21日から公開。
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