劇場公開日 2019年1月25日 PROMOTION

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二階堂家物語 : 特集

2019年1月15日更新

酸いも甘いも知る「大人の映画好き」にこそ“染みまくる”《葛藤と共感》
もしあなたが“この家”に生まれていたら……“この運命”受け入れますか?
カンヌが注目するイランの女性監督×河瀬直美監督が贈る《3世代家族の愛》

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人生の甘みも苦みも嚙み分けてきた“大人の映画好き”にこそ共感される、味わい深い1本をご紹介。カンヌ国際映画祭の受賞経験を持つイランの女性監督が河瀬直美監督と組み、“名家の存続”に苦悩する人々の姿を見つめた「二階堂家物語」(1月25日公開)だ。親類縁者の集まりも多いこの時期だからこそより切実に響く“家のしがらみ”と、しきたりに翻ろうされていく“愛の所在”――。実力派俳優たちが紡ぎ出すほろ苦い人間ドラマが、各々の歩んできた人生と重なり合い、深く、強く心を穿つだろう。


【葛藤】あなたが下してきた“人生の選択”は正しかっただろうか? 【共感】
「二階堂家」の物語を見終えた後――きっと、意見を交わしたくなるだろう

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本作で描かれるのは、突拍子もない事件などではない。誰もが経験するだろう責任と本音、葛藤と愛のドラマだ。一人息子を亡くし、妻とも離婚した二階堂家の長男・辰也(加藤雅也)は、跡取り息子を作るための“愛のない結婚”か、或いは婿養子をとるか、それとも全てを捨てて愛に生きるか、まさに人生の岐路に立たされていたが葛藤は深まるばかり……。感情の機微を丹念に織り込んだ物語が、ずしりと響く。

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生まれたときから課せられたもの。旧家に育った辰也にとって、家系を息子の代へと継いでいくことは責務だった。だが、最愛の息子の不慮の死によって、堅調な人生は脆くも崩れ去ってしまう。数百年続いてきた歴史を途絶えさせていいのか……。あなたなら、この“宿命”とどのように向き合う?

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自分の思いすら、正直に打ち明けられない――。本当に好きな人への気持ちに蓋をして、定められた婚約者と接する辰也の切ない表情に、必ずや心を奪われるだろう。また、父を不憫に思う娘・由子(石橋静河)との思いが交錯する親子の物語も重要なカギ。2人の葛藤が、見る者の感情を波立たせる。


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気持ちか、責任か。答えの見えない日々を過ごす辰也にある“出来事”が訪れ、ついに思いは成就したが……。しかし、愛する相手には、辰也にひた隠しにする“秘密”があったのだ! 辰也には再び、重い選択が襲い掛かる。「こんな家に生まれたくなかった」、悲痛な叫びに、あなたはどんな感情を抱く?

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父の身ばかり心配し、自分のプライベートには口を閉ざす由子。だが、彼女にも家族には打ち明けられない苦悩があったのだ……。中盤、由子の恋人の“正体”が明らかになったとき、彼女が抱えていた父・辰也とは異なる苦しみが、つまびらかにされる。“家の宿命”に振り回される親子の運命は――?


世界が注目するイランの俊英女性監督が“小津安二郎”に挑んだ──
大人の映画好きが求める“噛み応え”と“深み”が、本作には詰まっている

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美しくも儚い余韻を残す静謐な物語を組み上げたのは、国際色豊かな面々。日本文化の深奥まで入り込み、日本人以上に日本らしい作品に仕上げた俊英アイダ・パナハンデ監督は、小津安二郎作品や伝説の名ドラマ「おしん」の大ファン。構図や色彩、俳優の仕草の一つひとつに至るまでこだわり抜き、“小津イズム”に真っ向から挑んだ。彼女の美意識を体現したのは、国際経験も豊富な加藤、若手注目株の石橋、町田啓太ら。この映画でしか見られない輝きが、随所に光る。

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パナハンデ監督は、河瀬監督が率いる「なら国際映画祭2016」で最高賞に輝いた逸材。小津作品に「おしん」……彼女の“原体験”には日本の作品があり、これまでの人生をかけて積み上げてきた独自の探求の成果を作品に反映している。日本の精神を見事に表現した映像に、驚かされるに違いない。

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ベテラン俳優の加藤が、佇まいだけで悲哀を感じさせる名演を披露しているほか、「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」で新人賞を総なめにした石橋が、父と素直に接することができない由子を繊細に演じ、ドラマ「中学聖日記」で注目を浴びた町田が、由子に思いを寄せる幼なじみを丁寧に表現。豊かな競演にうならされる。

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「殯(もがり)の森」「あん」など芸術的な作風で国内外から高く評価される河瀬監督が、奈良県で行われた撮影をサポート。自身の経験を基に助言しただけでなく、作品の方向性についてもパナハンデ監督と幾度となく意見を交わし、初の海外撮影をあらゆる面で支え続けた。日本の名匠の“魂”が宿っている!

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冒頭に登場する彼岸花の“赤”を筆頭に、要所要所に差し色を入れ、画面内の構図に関しても家具の配置から俳優の動線まで徹底的にこだわり抜いたというパナハンデ監督。その確固たるビジョンは異国の地での撮影でも全くブレることはなかったという。小津監督に挑んだ若き監督の手腕を、堪能していただきたい。


日本人の“愛の形”を描き続けてきた人気歌人・俵万智が、本作を激賞!
家のあり方に翻ろうされる父娘の運命――作品の《核》を独自の視点で解説

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「サラダ記念日」などで知られ、日本人の愛の形や日常を独自の着眼点と文体で切り取ってきた歌人・俵万智が本作を絶賛! 辰也、由子、祖母ハル(白川和子)の親子3代にわたる「家」と「愛」の葛藤の物語の“味わい深さ”を、流麗な文章で表現した。

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