BRAVE HEARTS 海猿 東宝 73.3億
テルマエ・ロマエ 東宝 59.8億
踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 東宝 59億
ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル パラマウント 53.8億
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q ティ・ジョイ、カラー 50億~
おおかみこどもの雨と雪 東宝 42.2億
バイオハザードV リトリビューション SPE 38.1億
映画ドラえもん のび太と奇跡の島 アニマルアドベンチャー 東宝 36.2億
劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ キュレムVS聖剣士 ケルディオ 東宝 36.1億
アベンジャーズ ディズニー 36億
文化通信調べ(※昨年同様の表記で)2011年12月公開の正月映画も含まれる。
2012年の映画興行の上位10作品がほぼ固まった。日本の映画興行は、このところ邦画が強くて洋画に元気がないと言われ続けているのだが、まさにそんな通説を裏付けるトップ10となった。

10本中7本を邦画が占め、さらに上位3傑を独占している。ちなみに、この上位3傑は、いずれも東宝とフジテレビが製作したもの。東宝はトップ10内に6作品を送り込んでおり、日本映画界の覇者としてその実力を遺憾なく発揮している。

一方、洋画は3作品しかランキングに残れなかった。昨年は「ハリー・ポッター」や「パイレーツ・オブ・カリビアン」という特大ヒットシリーズ作品が並んだが、今年は「ミッション・インポッシブル」の新作が唯一面目を保ったという印象。アメコミ作品では、日本でもっとも成功している「スパイダーマン」の新作「アメイジング・スパイダーマン」が、興収31.6億円という期待はずれの結果に終わったことに、関係者は深く衝撃を受けている。02年に公開された「スパイダーマン」は興収75億円、その後の「2」は67億円、「3」は71億円だったから、いつもの半分に達していないのだ。洋画の不振は、この「アメイジング・スパイダーマン」の事例に象徴的だ。

そして邦画・洋画ともに、興収100億円を超えた作品は1本もなかった。この事実は昨年と共通なのだが、昨年は「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」が96.7億円で、ほぼ100億円のヒット。今年は首位の「BRAVE HEARTS 海猿」が73.3億円で、100億円クラスが1本もなかったのである。

その代わり、50億円を超える邦画が5本出た。昨年はゼロ(「コクリコ坂から」が44.6億円で邦画の首位)だったから大豊作だ。特に、ゴールデンウィーク公開の「テルマエ・ロマエ」が大ヒットし、上半期の興行を力強く牽引した。洋画の方は、50億円を超えたのは1本だけ。昨年は3本あったのだが。

このように、邦画が強くて洋画が弱かった1年。年間の興収における割合は、邦画65対洋画35くらいになるだろうと予測されている。

では、内容的にはどうだろう? 10作品中、映画オリジナルの作品は「おおかみこどもの雨と雪」のみだ。同作以外は、シリーズものか、コミックやドラマの映画化作品が並んでいる。もっともこれは例年と同じ傾向で、邦画でも洋画でも変わりない。トップ10には入らなかったが、リメイクやリブートと呼ばれる作品も目立ってきた。先の「アメイジング・スパイダーマン」しかり、「プロメテウス」しかり。来年も「華麗なるギャツビー」のリメイク版や「マン・オブ・スティール」(「スーパーマン」のリブート作)といった作品が待機中だ。  

2013年以降も、興行的には邦画>洋画の傾向は続くだろう。ハリウッド映画の重点マーケットがもはや日本ではなく、中国やロシア、ブラジル、インドといった新興国に移ってきているのも要因の1つだ。

最後に、アニメ作品の存在感がだいぶ増している件。トップ10の邦画7本のうち、4作品はアニメである。しかも「ドラえもん」や「ポケモン」といったファミリー向け作品よりも、「ヱヴァンゲリヲン」「おおかみこどもの雨と雪」といった大人向けの作品が上位にいる。このジャンルは今後も日本でシェアを拡大していく可能性が高い。2013年は、スタジオジブリの作品が2作品同時公開というビッグイベントもあり、よりアニメ作品の躍進する年になるだろう。