シッコ : 新作映画評論

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新作映画評論

シッコ シッコ 8月25日よりシャンテシネ、シネマGAGA!、新宿ジョイシネマほかにてロードショー

“地獄の沙汰も金次第”な医療状況にメスを入れたM・ムーアの新作

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「ボウリング・フォー・コロンバイン」や「華氏911」でのマイケル・ムーアの主張には賛同しかねるという人間でも、国民が金のことなど心配せずに病気や怪我の治療ができる社会が理想的であるということに反論できる人は居ないのではないだろうか。ムーアの新作「シッコ」の強みはまさにそこにある。

国民健康保険のような国民皆保険制度が無いアメリカでは、06年の統計で、就業していない成人の58%近くが、就業している成人でも23%近くが、健康保険を持っていないという結果が出ている。一方、親子3人で月額800ドルの健康保険料を支払っている我が家族(カリフォルニア在住)にしても、救急車に10分間乗っただけで1,000ドルとられたことがある。こんなケースはザラにあるから、「シッコ」の中でムーアが紹介するアメリカの医療現場での悲劇やホラー・ストーリーは、アメリカ人観客の多くにとって他人事ではないに違いない。

「シッコ」の中でイギリスの政治家トニー・ベンが「持てる者が持たざる者の面倒をみる。これこそが民主主義というものだ」という実にまっとうな意見を述べているが、“世界で民主主義を推進している”はずのアメリカの“地獄の沙汰も金次第(英語ではWho pays the physician does the cure.「シッコ」のテーマにピッタリ!)”な医療状況には、ムーアと共に大いに疑問を感じざるを得ないのである。

荻原順子

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ABOUT THE MOVIE

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  • シッコ
  • 「華氏911」のマイケル・ムーア監督が、アメリカにおける医療保険問題に焦点を当てたドキュメンタリー。国民健康保険がないアメリカでは、国民は民間の保険会社で保険に加入するしかない。多くの人々が無保険で命を落としていく一方、高額な保険料を払っているにもかかわらず、いざという時に保険金をもらえず満足な治療を受けられない例も多数存在する。ムーア監督はこういった数々の事例を紹介し、アメリカが抱える医療保険制度の闇を暴いていく。
  • 原題:
    Sicko
    監督・脚本:
    マイケル・ムーア
    製作総指揮:
    キャスリーン・グリン、ボブ・ワインスタイン、ハーベイ・ワインスタイン
    製作:
    マイケル・ムーア、メガン・オハラ
    撮影:
    クリストフ・ビット
    音楽:
    エリン・オハラ
    出演:
    マイケル・ムーア
    2007年アメリカ映画/2時間3分
    配給:
    ギャガ・コミュニケーションズ、博報堂DYメディアパートナーズ
  • 8月25日よりシャンテシネ、シネマGAGA!、新宿ジョイシネマほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

シッコ

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