パビリオン山椒魚 : 新作映画評論

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新作映画評論

パビリオン山椒魚 パビリオン山椒魚 9月16日よりシネセゾン渋谷ほかにてロードショー

世界が変わるのではないかという妄想を抱かせる映画

画像(C)2006 パビリオン山椒魚パートナーズ

山椒魚がどれくらい長生きするのか知らないが、この映画では、150歳となる山椒魚を巡って人々が目を血走らせる。19世紀に開催された3度のパリ万博に、特別大使として出席したこの由緒正しい山椒魚は、しかし何をするわけでもない。ただそこにいるだけだ。何しろ3000万年前の地層から出土した化石も、現在と同じ骨格をもっているという「生きる化石」。

たとえばそれを、映画のスクリーンのようなものとして考えてみることが出来る。スクリーン自体は何ものでもない。そこにさまざまな物語が投射される。同時代の出来事、過去に起こったこと、そして遥か未来に起こるかもしれないこと。さらには現実にはあり得ないこと、お伽噺、夢物語、幽霊や怪物など想像上の生き物たちも登場し、死人さえも甦る。世界のすべてを遥かに超えた果てなき世界が、そこには広がっているのである。

人々がそれを手に入れようと必死になるのも無理はない。その目眩く世界が、この映画でも展開する。山椒魚を巡るサスペンス、ミステリー、ホームドラマ、アクション、そして愛と革命! あらゆるジャンルと人生がそこで交錯し、新たな世界への扉が開かれる。生命の歴史が変わる。そんな妄想を抱かせる映画である。いや、それもただそこにいるだけの山椒魚の罠なのかもしれない……。

樋口泰人

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ABOUT THE MOVIE

  • パビリオン山椒魚 画像1
  • パビリオン山椒魚
  • 自主製作の異色短編シリーズ「亀虫」により各界から注目されてきた気鋭の映画作家、冨永昌敬の長編デビュー作。伝説の動物国宝であるオオサンショウウオ“キンジロー”によって巡り会った自称“21世紀の天才レントゲン技師”の飛鳥(オダギリジョー)と財団の令嬢あづき(香椎由宇)の恋と冒険を描くコメディタッチの狂騒劇。音楽は菊地成孔。共演に高田純次、麻生祐未、津田寛治ら。
  • 監督・脚本:
    冨永昌敬
    撮影:
    月永雄太
    音楽:
    菊地成孔
    美術:
    仲前智治
    出演:
    オダギリジョー、香椎由宇、高田純次、麻生祐未、光石研、杉山彦々、津田寛治
    製作国:
    2006年日本映画
    上映時間:
    1時間38分
    配給:
    東京テアトル、スタイルジャム
  • 9月16日よりシネセゾン渋谷ほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2006 パビリオン山椒魚 パートナーズ

パビリオン山椒魚

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