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新作映画評論

1208件中 55~63件を表示

7月7日更新

サスペンスに名所旧跡をうまく組み込み、夏休み気分を満たしてくれる アマルフィ/女神の報酬

  • アマルフィ/女神の報酬
  • 主演の織田裕二は、組織の中にいながらも、ちょっとアウトロー的なキャラクターがよく似合う。織田が演じる外交官の黒田は、クリスマス直前のローマで少女の誘拐事件に巻き込まれる。この種の観光地映画は、絵はがき的な風景をバックにした甘口のラブストーリーや友好親善的な人情ドラマになりがちだが、本作は誘拐事件のサスペンスにイタリアの名所旧跡をうまく組み込んでいる。 黒田と誘拐された少女の母・紗江子(... >>続きを読む

アメリカのどん底家族の再生が丁寧に描かれる サンシャイン・クリーニング

  • サンシャイン・クリーニング
  • 知識も経験もないのに、ギャラが高額というだけで特殊清掃業を始めたローズが、一つずつノウハウを身につけ、仕事に練達していくプロセスが、スポ根もどきで結構面白い。高校時代はチアリーダーの花形だったのに、いつの間にか人生の負け組に入ってしまったシングルマザーのローズ。ローズの父親も一攫千金を夢見ては失敗ばかりしているし、妹のノラも感情不安定で仕事が長続きしない。変わり者すぎて小学校から追い出された... >>続きを読む

才気あふれる演出と円熟の芝居のブレンドを味わう、静かなる名編 湖のほとりで

  • 湖のほとりで
  • イタリアのアカデミー賞ともいうべきダビッド・ディ・ドナテッロ賞で作品賞、監督賞をはじめ史上最多の10部門を受賞という派手な冠から想像される“イタリア映画の名作”というイメージとはかなり違う、驚くほど地味でストイックな作品である。 北イタリアの山間の小さな村。男の車に乗せられた幼い少女が行方不明となり、湖のほとりでは別の美少女の全裸死体が発見される。「ツイン・ピークス」を想わせるスリリン... >>続きを読む

6月30日更新

大味なディザスター映画とは一線を画す新味がたっぷり ノウイング

  • ノウイング
  • VFXの技術向上が目覚ましい現代のディザスター・ムービーの観客は、建物や街がいくつか崩壊した程度では満足してくれない。というわけで、仰々しく“人類滅亡”や“地球壊滅”を謳ったこの手の映画が毎年1〜2本のペースでお目見えする。ところが太陽の異常活動が引き起こす天変地異を映像化したこの映画は、50年前のタイムカプセルから奇妙な数列メモが発掘される冒頭からして、すこぶる新鮮で面白い。そこには同時多... >>続きを読む

モンスターのほうが人間より幸せかも モンスターVSエイリアン

  • モンスターVSエイリアン
  • 「シュレック」第1作で“モンスターは、人間のふりをしなくても、モンスターのままで幸せになれる”という世界を描いたドリームワークス・アニメが、これを一歩推し進めて“モンスターのほうが人間より幸せかも”という世界を描いてしまったのが本作。 しかもこの物語を“モンスターへの恐怖”が基本テーマだった50年代名作SFのコスプレで描いたところがポイント。主要キャラは一目瞭然な「妖怪巨大女」「大アマ... >>続きを読む

悲壮感を乗り越えてポジティブに生をまさぐる意思を感じさせる ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

  • ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
  • 新劇場版「序」ではシンジの性格付けに変化の予兆を感じさせたが、「破」はもはやリメイクとは思えぬほど感触が変わり果てた。14歳の少年が何とか自らを肯定して幕を引いたTV版と、世界を破滅させた旧劇場版——ロボットアニメというジャンルを装いつつ、庵野秀明が不安と焦燥にかられる自我をさらけ出した90年代後半の神話は、ゼロ年代末期を生き延びようとして必死な魂とシンクロするかのように変容した。 新... >>続きを読む

6月23日更新

ルビッチとロメールを融合させて色恋沙汰のねじれや反転をたっぷりと描く それでも恋するバルセロナ

  • それでも恋するバルセロナ
  • 恋愛はややこしい。三角関係はもっとややこしい。四角関係になるとさらに……といいたいところだが、意外にも、ここまで来るとガスの抜けることがある。事情は、よじりすぎた紐が真っ直ぐな紐に見えてしまうのと似ているかもしれない。もちろん、一本の真っ直ぐな紐は二度と戻ってこないのだが。 ウッディ・アレンの新作「それでも恋するバルセロナ」には、色恋沙汰のねじれや反転やジグザグがたっぷり詰まっている。... >>続きを読む

玉木宏は新境地を開拓したが、演出が空回り MW ムウ

  • MW ムウ
  • 「日本映画史上、規格外のアクション映画を撮ろう」という信念から敢行された、冒頭のタイ・ロケーション。その大作感溢れる大胆な試みは認めたいが、本筋ではなく、冷酷無比なテロリスト・結城のキャラを表わすシーンにしては、あまりに時間を割きすぎた。そのため、作品の命ともいえる、サスペンスとしての緊迫感が途切れてしまった。その流れは本筋に入ってからも変わらず、メリハリのない展開がただ続いていく……。 ... >>続きを読む

かすかな寂寥感と豊かな余韻を残す秀作 扉をたたく人

  • 扉をたたく人
  • 思わずイーストウッドの「グラン・トリノ」と比較したくなる、ほろ苦い後味を残す秀作だ。 妻の死後、頑迷なまでに自己を閉ざしてきた大学教授ウォルターが、シリアの移民青年タレクとの出会いによって、内面的な変貌を遂げていく。くだくだしい説明を廃し、ジャンベ(アフリカン・ドラム)の軽快なリズムを介して、異文化を背負った者同士が融和していくさまが簡潔に語られる。この省略と抑制こそが、「父親たちの星... >>続きを読む

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